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理想のSV像

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「SVになりたい」というスタッフは減っていると感じる。

こうも不人気になってしまった理由は、“理想のSV像”が不明確で、「正当に評価されない」という認識が強いためだ。

目標が明確になれば、努力が評価につながるため、やりがいも出てくるはずだ。


■必要スキルは基本、応用に分ける

スキルは、基本と応用に分けて考えるといい。

基本スキルは、理想のSVを目指してもらう上で、必ず伸ばしたいスキルを指す。
具体的には、
①コミュニケーション:普段から誰にでも挨拶できている、会話がちぐはぐではなく世間話が続く
②ロジカルシンキング:結論からわかりやすく説明できる、話が長くすぎない、長くなりそうなエスカレーションを折り返し判断にできる
③優先順位:手上げしているオペレータが同時に3名いた場合のエスカレーションを捌くことができる
④注意力:対応が長引いているスタッフに気づく、少し口調が強くなっているスタッフに気づく
⑤知識力:入電の約6~7割程度に相当するよくある問い合わせを網羅していてすぐに対処できる
などだ。

一方、応用スキルは、基本スキルを身につけたうえ、将来伸ばしていきたいスキルだ。
例えば、
①問題解決力:正しく素早く問題を解決に導く能力、SVとしての判断力と優先順位、注意力が肝となってくる
②提案力:業務が回っていることが前提であり、その上で業務改善や新業務の提案が考えられる能力
③まきこむ力(推進力):センターはSVだけでは動かないため、オペレータを含む周りをいかに巻き込めるか、コミュニケーション能力のみならず信頼されているか否かも関わってくる能力
などが挙げられる。

■進捗を継続評価する

上記のように、必要なスキルを書き出してたら、そのスキルを取得しているかどうか、判断基準を書き加えていく。

「できるようになって欲しいスキル」については、成長過程をトラッキングし、SV本人と定期的(月1回)に共有、確認する時間を取るといい。

■選抜時に見極めるのは「人物像」

SVを選抜する際は、基本スキルについてすべて取得済みの人材を選ぼうとする傾向があるが、スキルは伸ばせるものだということを忘れないでほしい。
選抜時には、スキルよりも人物面を優先してみることをお勧めする。

人物面とは、「明るい」「素直」「話しかけやすい印象」「ハキハキしている」「朝礼などで場を締められる」など、いわゆる性格・性質で、容易には変えられない。

理想の人物像を定義し、それにマッチした人材をSVに抜擢、そのうえで、理想のスキルを身に着けていくよう育成していく。
これが理想のSVの育て方を実現する、基本的な考え方だ。


図 “理想のSV”の育成アプローチ


(連載「『理想のSV』の育て方・活かし方」 月刊コールセンタージャパン2017年2月号掲載

著者:東峰ゆか
この著者の講座は、「チャット対応講座~効果とノウハウの高め方」「実践!ナレッジマネジメント講座~設計編」です。

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