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新型コロナ案件と情報漏洩事件に見るBPOの受託・委託双方に求められるチェック機能の強化

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日本コールセンター協会は、11月13日、会員企業に対して「不正行為に関する注意喚起」を実施した。新型コロナワクチン接種事業における会員企業による不正行為の発生と中間報告を受けてのこと。

会員企業に対しては、関係法令の確認とともに同協会が定めている「コールセンター業務倫理綱領」および「コールセンター業務倫理ガイドライン」に照らし、BPOベンダーなどのエージェンシーやサポート会員に対しては「自社のコールセンター運営やクライアント/パートナー企業との契約内容・取引等の総点検」を、インハウス会員に対しては「委託先/パートナー企業のセンター運営状況や契約内容・取引等の総点検」を促した。

さらに同協会は、「コールセンター業務倫理ガイドライン」に基づきチェックリストを作成、会員企業のファイルで共有している(チェックリストの概要はこちらで既報)。

なお、編集部調べでは、自治体から返還を求められた新型コロナウイルス関連のコールセンター案件の元請け企業は以下の通り(順不同)。

パソナ(大阪3市、既報
近畿日本ツーリスト(東大阪市他)
セントラルサービス(太田市、群馬県)
日本トータルテレマーケティング(京都市)
電通北海道&電通プロモーションエグゼ(北海道)
大塚商会(北海道石狩市)

上記各社から受託した再委託先コールセンター運営企業は、パソナのケース(エテル)以外では判明していない。

すでにほぼすべての自治体で終了した新型コロナウイルス関連の受託業務だが、こうした不正案件は、(1)意図的なもの、(2)請求などのオペレーションミス、(3)契約条件の認識違いなど、さまざまな背景はあるものの、過大請求が行われた事実は変わらない。これは、こうした公共案件だけが対象ではなく、いかなる案件でも起こりうるリスクである。

コールセンター関連のBPOを取り巻く事件としては、最近、大量の個人情報漏えい事件も発生(既報)。発生したプロセスや背景は異なるが、いずれにせよ、受託側であるBPOベンダー各社はもちろん、委託側企業も従来以上のチェック機能と、緊密なリレーションシップ構築が求められる。日本コールセンター協会が共有したチェックリストの有効活用が求められそうだ。

あらゆる不正を未然に防ぎ、かつ高いクオリティを維持するには、受託側であるBPOベンダー以上に委託側のマネジメント能力が必要不可欠となる。具体的には、BPO活用においては、委託側にベンダーマネジメント組織(VMO)の設置と、その組織による指示・命令ではない厳密かつ定期的な監査、単なる下請けではない、パートナーとしての意識醸成といった難易度の高い取り組みがポイントとなる。コールセンタージャパン編集部では、パソナによる不正案件の発生を受けて、今年の5月号で特集「BPOのトリセツ」をまとめたが、今後も情報発信を継続する方針だ。

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