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2023年10月号 <わたちゃんのかすたま〜えくすぺりえんす>

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わたちゃん

<著者プロフィール>
職業:顧客経験価値にこだわる戦略立案&業務改革コンサルタント
過去勤めたことのある企業:日本ユニシス、日本IBM、日本テレネット
週末の過ごし方:
<ケース1>隅田川あたりをぶらぶら散歩して浅草で飲んだくれたあと銭湯で汗を流す
<ケース2>スポーツジムでヨガレッスンを受けて汗を流す
最近の悩み:昔は痩せの大食いだったのが、最近は小食の小太りになっていること

生成AIはエモーショナル体験でこそ、
真価を発揮する!

ISラボ 代表 渡部弘毅

 店頭のスタッフのアドバイスより、ECサイトで出てくるレコメンドのほうが当たっていると思う機会の増えた、わたちゃんです。なにせセンスがなく、ファッション談義もできないのです。

 AI技術の進化により、我々の生活は大きな変化を迎えています。とくに、ChatGPTの登場により、「生成AI」の活用方法は日々、増えています。コールセンタージャパンが主催するセミナーや誌面でもさまざまな適用指針や事例が紹介されています。そのような情報から、生成AIは、第1段階としてバックオフィス的なオペレーション/マネジメント業務、第2段階として顧客とのコミュニケーションの自動化という2つの面で効果を発揮することがわかります。前者では、顧客の声(VOC)の要約やマニュアル作成、教育への適用といった業務を手助けし、後者ではチャットボットやボイスボットの進化を促して、顧客対応を行います。

 生成AIの能力を最大限に活用するためには、第2段階の顧客とのコミュニケーションの自動化が重要です。従来、チャットボットやボイスボットは「エフォートレス体験」を提供することが求められ、迅速性や正確性を追求してきました。これに加えて、生成AIを使ってその品質をさらに高めるという取り組みは重要です。

 さらに重要なことは、生成AIの進化により今まで人が対応すべきだとされていた「エモーショナル体験」の提供が期待されることです。これは、共感性や柔軟性を発揮する対話への適用を意味します。生成AIがエモーショナル体験を提供できるようになれば、「私に似合う服選び」の接客のように、唯一の正解がない対応にも生成AIが適用できるように思えます。もちろん、生成AIの普及により人のサービスがなくなるわけではなく、人として差別化された価値を提供しなければいけないという新たな挑戦でもあります。

 生成AIの可能性は無限大で、コールセンター業務への適用はその一例です。生成AIの進化は、人間の役割を再定義するチャンスでもあります。その機会を活かし、より高いスキルを持つことで、新たな価値を提供していくべきです。

 ということで、僕の服選びも将来は、何回つまらないセンスのない質問をしても、根気強く、心地よくアドバイスをしてくれる生成AI内蔵のロボット店員が対応し、「ここぞ!」という場面で人間の店員さんが登場して、優柔不断な背中を押してもらう、といった買い物スタイルになるのかな。

図 生成AIによる期待

図 生成AIによる期待

 

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