<コーナー解説>
店舗など、コールセンター以外を含めた接客やサービスのプロにその心構えやノウハウを聞きます。
「売る前に使う」「売らない接客」
異彩を放つ老舗店主のこだわり
飯田
代表取締役社長
飯田 結太 さん
Profile
大正元年(1912年)に浅草かっぱ橋で創業の“超”料理道具専門店「飯田屋」6代目。「自身が仕入れを行う道具は、前もって使ってみる」という絶対的なポリシーを持つ。著書は、『浅草かっぱ橋商店街リアル店舗の奇蹟』。
創業110年の歴史を持つ、東京・かっぱ橋の料理道具専門店「飯田屋」。6代目店主の飯田結太さんは、あらゆるおろし金を仕入れ、1つひとつ実際に自分で試す。使い比べたおろし金は、300種類。「使ったことがあるからこそ、お客様から用途や求める仕上がりを聞いたときに、適した商品を提案できます。大きさや重さも体感しておくことで、利用頻度や収納場所を聞き、最適な道具を薦めることが可能となります」と自信を見せる。
店の営業方針は、「売るな」。売上目標やノルマはなく、「売ること」よりも「相談してもらえること」を求める。過剰在庫は、経営のセオリーとしては避けるべきだが、それが「ここなら、欲しいものが見つかる」という専門店ならではの強みが活きるケースとなり得るのだ。