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LINE、法人向けに新しいカスタマーサポートサービスの提供を開始

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LINE(東京都新宿区、出澤 剛社長)は、コミュニケーションアプリ「LINE」を活用した法人向けカスタマーサポートサービス「LINE カスタマーコネクト」の販売を4月11日から開始した。

LINE カスタマーコネクトは、LINE上でチャットや音声通話による問い合わせ対応、AIボットによる自動回答などのカスタマーサポート機能を提供するもの。顧客のニーズに応じてコミュニケーション手段の選択、「チャットから音声通話」のような切り替えをシームレスに行えることが特徴だ(下図参照)。


フローイメージ
「LINE カスタマーコネクト」のフローイメージ(クリックで拡大)


具体的には、以下の4機能を提供する。いずれも各種システムとの連携によって実装できる(提供ベンダー名は2017年4月初旬段階)。

4つの機能「LINE カスタマーコネクト」が提供する4つの機能(クリックで拡大)


(1)Auto Reply:テキストによる問い合わせ内容をAIエンジンで解析、FAQから適切な回答を抽出し提示する。連携するAIエンジンの提供ベンダーは、BEDORE。

(2)Manual Reply:オペレータによるチャット対応。連携するチャットシステムの提供ベンダーは、日本オラクル、テクマトリックス、ベルシステム24、モビルス。

(3)LINE to Call:オペレータによる電話対応。IP電話による音声通話のため、顧客側に通話料金は発生しない。連携するコンタクトセンターシステムの提供ベンダーは日本アバイア、ジェネシス・ジャパン。

(4)Call to LINE:携帯電話からの着呼をLINEに誘導する。着信番号情報からLINEアカウントを特定し、IVRまたはオペレータ操作でメッセージを送信する。連携するコンタクトセンターシステムの提供ベンダーは、日本アバイア、ジェネシス・ジャパン。

なお、LINE to Callは、現在はβ版を提供中、Call to LINEは、2017年夏にβ版の提供を予定している。

各種連携システムは、今後、連携予定のものも含めれば、企業ごとのニーズや既存のシステム環境に合わせた選択が可能となる見通し。導入申し込みは、同社のパートナー登録サイト、または販売・運営パートナー経由の2通りがある。

 

キューアンドエー、福岡のコンタクトセンターを増設、約50名を新規雇用

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 ICTテクニカルサポートを展開するキューアンドエー(東京都渋谷区、牛島祐之社長)は、4月18日、新規業務の受託と既存業務の拡大により、福岡県福岡市のコンタクトセンター「福岡マーケティングセンター」を拡大展開すると発表した。
 
 福岡マーケティングセンターは、2011年11月、福岡県福岡市に開設したキューアンドエーグループのコールセンター。インバウンド/アウトバウンドでのセールスプロモーションや、ICTデジタル製品のテクニカルサポートなどを行っている。現在は220席、従業員は約280名で稼働しているが、このほど100席を増設し、計320席での運用を開始する。また、今回の増設に伴い、現地で新たに約50名の雇用を予定している。

2017年5月号 <CS戦略>

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マルコ ビル-ピーター 氏

カスタマーエクスペリエンス&
エンゲージメント部門 副社長
マルコ ビル-ピーター 氏

<コーナー解説>
カスタマーサービスに注力し、コールセンターやWebサイト、アプリなどを有効活用し成長している企業のキーマンに戦略を聞きます。

レッドハット

AI活用し迅速なサポートを実現

企業プロフィール

設立:1993年
所在地:米国ノースカロライナ州ラーレー市
事業内容:オープンソース・ソリューション プロバイダー
URL:https://www.redhat.com/ja/global/japan

──事業概要について教えてください。

マルコ オープンソースのOS「Linux」をベースとしたシステム基盤やソリューションの構築、保守サポートを行っています。オープンソース・ソフトウエアの多くは、コミュニティ上でナレッジが蓄積、拡散されます。我々はコミュニティを活用するだけではなく還元することで、共存しながらビジネスを拡大しています。具体的には、エンタープライズでオープンソースを安全に活用したいユーザーに対し、セキュリティ認証や迅速なサポートといった付加価値を提供することでビジネスが成り立っています。

──サポート品質は、ビジネスを左右する重要な要素ということですね。

マルコ エンジニアによる有人サポートの品質向上だけではなく、自己解決率の向上にも注力しています。2011年にユーザー向けのサポートポータルサイトを開設しました。サイト上で、(1)アップグレードのヘルプ、(2)セキュリティの監査、(3)問題診断、(4)問題解析といった4種類のアプリを合計100個以上提供。さらに問題解決のためのナレッジ(FAQ)を約7万件参照できます。検索システムにはAIを導入し、レコメンド機能も実装しています。サポートエンジニアたちは長年の経験から、ユーザーが何に困っているのか、どのような事象が起こっているのかを熟知し、それを自己解決するための具体的なアクションを知っています。それらを集約したものが、このポータルサイトです。アプリやナレッジ検索で解決できない場合は、ポータル上からそのままエンジニアにサポートを依頼できます。

──AIはどのようなものを使っているのですか。

マルコ オープンソースのデータ処理ソフトウエア「Hadoop」をベースに、情報分析基盤システム「Spark」を組み合わせています。弊社のデータサイエンティスト12名が中心となり、サポートエンジニアやポータル開発のエンジニアなどさまざまな人材と共に試行錯誤を繰り返し、2015年から開発してきました。これを、ポータルサイトの他、サポートエンジニアの障害解析でも活用しています。AIの成長は目覚ましく、開発当初は複数回のやり取りを経て解決に至っていたのが、1回の質問で問題の原因を察知し解決を導き出せるようになりました。レコメンドによる自己解決率は15%に達しており、1年半後には50%を目指しています。

──今後の目標は。

マルコ 前年度(2016年3月〜2017年2月)の売り上げは、24億ドルを超え、15年連続成長で、直近でも2ケタ成長を維持しています。システムの状態を自動で監視し、障害を予見することでよりプロアクティブなサポートサービスを実現する「Red Hat Insights」をはじめ、ユーザーがより便利に安全なシステムを活用できる環境を整えることで、ビジネスのさらなる成長を目指します。

2017年5月号 <DATA FILE by HDI-Japan>

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DATA FILE by HDI-Japan

問い合わせ窓口格付け調査──テレビ通販業界

Web・電話とも他業界より低評価
昨年から大きな改善は見られず

HDIが実施するテレビ通販業界の問い合わせ窓口格付け調査では、以前から他業界と比較して評価が低いことが指摘されている。今回の調査でも、Webサポート・電話窓口ともに大きな改善は見られなかったようだ。とくに電話対応での担当者による品質のバラつきは課題として根強く残っている。

図 テレビ通販業界格付け結果及び、2016年全業界平均との比較

図 テレビ通販業界格付け結果及び、2016年全業界平均との比較

[実際に調査を行った窓口]
オークローンマーケティング(ショップジャパン):ショップジャパン カスタマーサービスセンター、QVCジャパン:商品・ご注文・配送・その他のお問い合わせ、ジュピターショップチャンネル:お問い合わせ・ご相談、テレビショッピング研究所(ダイレクトテレショップ):カスタマーセンター、テレビ東京ダイレクト(てれとマート):お客様センター、トーカ堂:商品に関するご質問、お問い合わせ、日本テレビ放送網(日テレSHOP):日テレ通販カスタマーセンター、はぴねすくらぶ:──、ロッピングライフ(ロッピング):お客様相談センター

2017年5月号 <DATA FILE/今月の就業データ>

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DATA FILE

就業形態/エリア別有効求人推移──厚生労働省

有効求人倍率推移(季節調整値)

 パートタイム含む全体の有効求人倍率は1.43倍、前月と同水準。パートのみに限定しても同様だ。依然としてサービス業での高止まりが目立つ。

有効求人倍率推移(季節調整値)

※画像をクリックして拡大できます

コールセンター集積地の有効求人倍率推移(パート含む、季節調整値)

 コールセンター集積地の動向も前月から大きな変化はない。引き続き沖縄県を含む全都道府県で1.0倍を超えており、東京都に至っては2倍超えが1年近く続いている。

コールセンター集積地の有効求人倍率推移(パート含む、季節調整値)

※画像をクリックして拡大できます

全国およびコールセンター集積地の新規求人倍率(季節調整値)

 景気の先行指標とされる新規求人倍率も2.12倍と前月と同水準値。求人数(原数値)を見ると、前年同月比4.9%増と増え続けているが、情報通信業はやや減少した。

全国およびコールセンター集積地の新規求人倍率(季節調整値)

※画像をクリックして拡大できます

2017年5月号 <Focus/コールセンター>

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Focus

「マニュアルを超える対応」を生む
考えるオペレータ&リーダーの育て方(3)

つなぐ研究所 代表 河合 洋

オペレータが自分で気づき、考え、そして行動できるようになるためには“環境”が必要だ。どのような環境があれば良いのか。最終回は、総合メディア企業を事例にVOC共有を活かすアプローチ、ザッポスが実践しているフレームワークを解説する。

 「マニュアルを超える対応」を提供できるオペレータは、どのような“風土”で育つのだろうか。オペレータが自分で気づき、考え、そして行動できるようになるためには“環境”が必要だ。

 最終回では、“社風”というアプローチを解説したうえで、総合メディア企業を事例にVOC共有を活かすアプローチ、ホスピタリティ実践企業として名高い米国の通販企業ザッポスが実践しているフレームワークを検証する。

2017年5月号 <Focus/ソリューション>

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Focus

ロボットがコールセンターを救う?!
労働力不足の切り札、RPAの威力

労働人口不足の切り札として期待されるRPA(Robotics Process Automation)技術。コールセンターへの適用もはじまっている。オペレータやSVの生産性を高め、より付加価値の高い業務に労働力を振り向ける。コールセンターの“働き方改革”にも影響を与えそうだ。

 少子高齢化に伴う労働人口の減少は、産業を問わず年々深刻さを増している。労働集約型の代表的な業務であるコールセンターにおいても、「採用難」「人材不足」を喫緊の課題として挙げるマネジメント層は少なくない。この解決策として近年注目されている技術が、RPA(Robotics Process Automation)である。

 RPAとは、これまで人間のみが可能とされてきた業務をルールエンジンやAI、機械学習などを含む認知技術を活用して代行・代替する仕組み(ソフトウエア)を指す。生産現場における産業用ロボットと同様に、一般オフィスで仮想知的労働者(Digital Labor)を活用することで労働生産性を高め、より成長分野に人材を集中して持続的成長を維持することを目的とする。必ずしも人材不足の解消が狙いではないが、業務効率化を図るという点においては有効な手段と期待されている。本稿では、RPAが注目される背景や実績、導入における要点、コールセンターでの活用方法について解説する。

2017年5月号 <インタビュー>

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亦賀 忠明 氏

AI活用は「人材」の問題でつまずく!?
ムーブメントに終わらせない長期戦略のすすめ

ガートナー ジャパン
リサーチ部門 バイスプレジデント 兼 最上級アナリスト
亦賀 忠明 氏

「国内のAI(人工知能)活用は、このままでは“お祭り”で終わる」。ガートナー ジャパン バイスプレジデント 兼 最上級アナリストの亦賀忠明氏は、現在のAIブームに対し厳しい見方を隠さない。そのうえで、「ベンダーだけでなく、ユーザー企業も“AIを育て、使いこなす人材”への投資が必要と説く。

Profile

亦賀 忠明 氏(Tadaaki Mataga)

ガートナー ジャパン
リサーチ部門 バイスプレジデント 兼 最上級アナリスト

1985年、大手ベンダーに入社し、各種システム開発業務に従事する。1997年にガートナー ジャパン入社。ITインフラストラクチャ全般を中心とする調査分析を担当。国内外の主要なベンダーやSI、一般企業に、戦略的アドバイスを行っている。

──コンタクトセンター関連のIT市場は、もはや「AI」一色です。どう捉えていますか?

亦賀 コンタクトセンターに限らず、あらゆるソリューションがAIとされているので、何がAIで、なぜAIなのかの理解が進まないまま、ユーザーもベンダーも大騒ぎしているという印象が強いですね。とくに先行事例とされている企業のなかには、導入が「目的」になっているように見えるケースもあります。AIといえどもITである以上、課題解決の「手段」のひとつ。期待が過熱しすぎて「ブームで一儲けしたい」というベンダーと、「先進事例だ」と強調したいユーザーが実態以上に訴求しているように見えます。これも、AIで「何でもできる」という誤解が生じてしまった結果ではないでしょうか。

──昨年末に発表の「AIに関する10の誤解」にも「すごく賢いAIがすでに存在する」「誰にでもすぐにすごいことができる」ことを挙げていますね。

亦賀 とくに経営陣に多い誤解だと思います。みんな“お祭り”に参加したいのはわかりますが、発表されているソリューションや事例には“なんちゃってAI”といえるレベルのものも多く、お祭りのレベルに疑問を感じます。

──「AI」と「なんちゃってAI」の違いは。

亦賀 端的に言うと、学習能力です。なんちゃってAIは、「If-Then-Else」のプログラムで実現できてしまうもので、自ら回答パターンを導き出す能力は有していません。ただし、学習能力を有しているAIでも、「人間と同様の知能、学習能力」を実現するものは現状では存在しません。日本国内には、AIベンチャーと称する企業がすでに100社以上あります。例えば同じディープラーニングを訴求していても、性能は千差万別。ところが、ほとんどの場合、そのAPIもアルゴリズムも非公開で、違いをユーザー側で把握するのは困難です。従って、「AIは万能」という誤解が生まれました。そうした意味では“本物”と“なんちゃって”が十把一絡げにされる原因の多くはベンダーにあると思います。一方で、ユーザーも本物と偽物を見分ける目利き力が試されていると言えます。

 今は、あくまで用途を絞り込んだ特定目的の機械知能である「弱いAI」の段階です。「導入したらすぐに使える」「あらゆる業務に適用できる」にはまだ相当の時間を要するはずで、この誤解を解かないと「過度な期待」から一気に幻滅期になり、また一過性のブームで終わる可能性すらあります()。

──それでも近年は、クイズ番組や囲碁の対局で勝利するなど、目覚ましい発展を遂げているように思います。

図 日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2016年

図 日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2016年

出典:ガートナー(2016年9月)
※画像をクリックして拡大できます

(聞き手・横田麻生子)
続きは本誌をご覧ください


2017年5月号 <IT企業に聞く!>

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河村 誠司 氏

河村 誠司 氏
メディア&モバイル事業部 第一事業ユニット 統括マネージャー

<コーナー解説>
ITソリューションベンダーのキーマンに製品・販売戦略を聞きます。

NTTテクノクロス

「採用難のセンター」を支える
音声認識、チャットでES向上を訴求

企業PROFILE

本社所在地:東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー17階
代表者:串間和彦代表取締役社長
設立:2017年4月1日
資本金:5億円
従業員数:1737人
URL:www.ntt-tx.co.jp/

2017年5月号 <ITの選び方&使い方>

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ITの選び方&使い方

<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。

GMOメディア

ITツール導入で「時間」を作る
メール対応の生産性/品質を向上

「たかが1件のメール対応」でも、顧客にとっては「その1件」で企業に対する印象が決定づけられる。GMOメディアは、メール対応管理システムを「Zendesk」に更改し、迅速かつ手厚い対応を追求。顧客ロイヤルティを高める“CRM部隊”への進化を図る。

今月のPOINTS!

システム概要
メール共有・管理システムとしてZendeskの「Zendesk」を採用した。顧客応対に加え、運営するメディアでサービス提供するパートナー事業者とのコミュニケーションツールとしても活用している。

選び方のポイント
問い合わせ件数の増加を背景として、個別にメール回答文を作成する時間を確保すべく、操作時間を短縮できる機能を求め、実装した。

使い方のポイント
顧客の利用サービスによって顧客情報として表示する項目を変更し、個別に送信するメッセージの作成を支援。また、運営サイト上でパートナーが提供するサービスへの問い合わせについては、パートナーに転送した後も放置が起きないよう、アラート機能を活用。従来のツールよりも利用料金は高額だが、生産性向上によって創出した時間を金額に換算するとメリットの方が大きいという。

写真左から、常務取締役管理部門統括の石橋正剛氏、CS推進室マネージャーの谷村聡一氏

写真左から、常務取締役管理部門統括の石橋正剛氏、CS推進室マネージャーの谷村聡一氏

図 Zendeskで顧客応対の生産性向上

図 Zendeskで顧客応対の生産性向上

※画像をクリックして拡大できます

2017年5月号 <カイゼンの軌跡>

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カイゼンの軌跡

<コーナー解説>
コールセンターの業務改善のビフォー・アフターを中心に施策をまとめます。

日本トータルテレマーケティング

購入率向上、維持した新・研修
顧客に訊く「質問力」を育てる要諦

今月のHints!

Hints

たとえニーズにマッチする商品/サービスであっても、強引かつ一方的な説明ではモノは売れない。日本トータルテレマーケティングは、商品説明に入る前に顧客に“質問”を挟み、真意やニーズを深掘りしたうえ、反応によって複数の選択肢から話す内容を変える独自スクリプトを開発。新人でも自然なやり取りができるよう研修も行った。結果、顧客は納得、安心してオペレータの提案を受け入れるようになり、サプリメントの定期購入率が40%(2016年7月)から翌月には51.3%と向上した。

品質管理部の平野弥也子部長

品質管理部の平野弥也子部長

2017年5月号 <リーダー・オブ・ザ・イヤー 2016>

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津江 好美 氏

アウトソーサーの宿命的課題
「標準化活動」の原動力

富士通コミュニケーションサービス
シニア・ビジネスコンサルタント
津江 好美 氏

Profile

津江 好美 氏(つえ・よしみ)

航空会社のCAとして勤務後、豪州でカスタマーサービス業務に約6年従事。帰国後は外資系コンタクトセンターなどを経験し、2005年富士通コミュニケーションサービス(CSL)に入社。運用や人材育成の標準化に取り組み、運用のフレームワークやSVの社内認定制度を構築した。その他リーダー、SV向けの研修コースを複数開発し、CSL Collegeで展開している。

 アウトソーサーに求められる「能力」の最たるものは、サービス品質を高水準で平準化(標準化)することだ。しかし、拠点が増え、スタッフが増えるとその難易度は飛躍的にはね上がる。クライアントの数だけ、ニーズも多様化する結果、品質のばらつきは「ある程度、やむを得ないこと」として見逃されがちになるのも事実だ。

 富士通コミュニケーションサービスは、2005年から標準化に取り組み、サービスフレームワーク「CSL Standard」を構築。約4000名の社員が活用し、のべ400社を超えるクライアントに適用している。その中核となった人物が、津江さんだ。

 2005年に発足したサポートサイエンス推進室では、「People」「Methodology」「Technology」の3つの柱で標準化に挑んだ。津江さんは、「まずはスーパーバイザー(SV)の数・質の向上を図るため、スキルマップを作成し認定制度を設けました」と当時を振り返る。

 さらに属人化の大きな原因だった暗黙知を形式知化すべく運用規格書や各種のツールも設計・構築。クライアントとの共通言語化も進め、業務改善をともに進めるパートナーシップ強化にも大きく貢献した。

新制度の定着にも尽力
作るよりも「使う」ことが重要

 こうしたトップダウンによる改善活動は、どうしても現場からの反発を招きやすい。津江さんを中心としたチームは、現場の負荷を可能な限り低減し、かつ巻き込み型のボトムアップ活動に発展するための粘り強い啓もう活動を継続。一過性の活動に終わらせないため、定期的なアセスメントや表彰制度、事例共有会などを継続開催している。

 とくにSVの認定制度は「成果の可視化が難しい」とされる人材育成において大きな効果を発揮。目指すべき姿が明瞭になったことでモチベーション向上に貢献した。さらに研修カリキュラムにも反映するなど、同社の特徴である「高スキル人材」の育成には欠かせない存在になったと同時に、正社員採用基準のひとつとなるなど、人事制度に組み込まれるまでに定着している。

 津江さんは、「制度とは、作ることよりも作った制度を“使う”ことの方が重要」と強調する。その行動は、同社の特徴のひとつである「人を大事に育て、顧客企業に届ける」という活動の原動力となっているようだ。

2017年5月号 <連載/コラム>

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コラム

市界良好:第61回

傘を忘れました

秋山紀郎

AfterCall~電話の後で:第61回

“個人”の責任ではなく
“会社”として誠意を示そう

長掛文子

3 Minutes Lesson 毎日できるメンタル・ケア:第42回

上を向きましょう

奥 富美子

わたちゃんのかすたま〜えくすぺりえんす:第27回

「最適解」より「満足解」の時代?

渡部弘毅


2017年5月号 <連載/マンガ>

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マンガ

マンガ

督促オペレータ奮闘記(52)

榎本まみ

がんばれ! Y田さん

著者のブログ(督促OLの回収4コマブログ)はこちら

2017年5月号 <連載/実践>

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実践

将来に役立つ知識/ノウハウを磨く! SVのためのハッピーキャリア事例研究:第6回(最終回)

「視野」の拡大が次のキャリアをもたらす

片桐宏恵

本連載では、SVのキャリア形成に必要な考え方や具体的なキャリアアップ事例を挙げてきた。最終回では、望むキャリアを築くためにSVが身に付けるべきスキルについて解説する。現場だけを見るのではなく、顧客や他部署、経営層まで視野を広げ働きかけることが、SVとしてのステップアップには欠かせない。


「居続けたくなる職場」に変える! コミュニケーションの5つのカギ:第4回

結果ではなくプロセスを観察しよう

井口大輔

チームビルディングでいう観察とは、「プロセス」を見ることである。いま、ここで何が起きているかを見ることだ。メンバーの発する言葉や行動を注意深く観察し、起きていることを把握、理解する。そして、読み取ったことをメンバーにフィードバックすることが、チームを育てていくことにつながるはずだ。



2017年5月号 <連載/戦略>

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戦略

顧客感動のメカニズム:第1回(新連載)

「感動」=「ポジティブ体験」
人のこころのメカニズムを解く

高見俊介

「感動を提供する」には、「WOW」という驚きを与えるハイレベルかつ、特別なサービスを提供しなければならない──このように考える人は少なくない。本連載では、「感情」が発生するメカニズムを紐解いたうえで、誰もがどのような状況でも提供できる「感動体験」について解説する。

 

デジタル時代の顧客接点戦略 〜コールセンター改革の標(しるべ)〜:第5回

新たな顧客戦略と業務プロセス改革(2)
プロジェクト成功に導く「人・組織」のあり方

浦山久美子/谷本俊樹(監修)/小田島彰(監修)

『デジタル時代』になり、企業のビジネスモデルや業務プロセスは根本から変わり始めている。企業は、顧客接点の範囲が広がることで新たな機会を得ると同時に、デジタル化への対応力を試されている。顧客戦略を考えるうえでコールセンターに期待される役割も見直されつつある。今後は企業自らの業務もデジタル化することが必要だ。今回は業務プロセス改革に取り組むために必要な「人・組織」について考察する。

2017年5月号 <サービスのプロに聞く>

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大山 あかね 氏

<コーナー解説>
店舗など、コールセンター以外を含めた接客やサービスのプロにその心構えやノウハウを聞きます。

“応援したい”という思いがもたらす
「技術」以上のチカラ

ビューティーエクスペリエンス
プロフェッショナル事業本部 教育企画課
インストラクター
片山 寛子 氏

Profile

都内2店舗のサロン勤務を経て、2013年ビューティーエクスペリエンスに入社。教育企画課に配属。社内唯一の女性インストラクターとして全国で活躍中。

 コンビニエンスストアの4倍もあると言われるヘアサロン。ヘアケア製品メーカーのビューティーエクスペリエンスが運営するスタジオで、スタイリストたちの技術力のみならず、接客力やホスピタリティを育成支援しているのが、インストラクターの片山寛子氏だ。

 片山氏は「製品知識だけでは、来店されたお客様にご満足いただくことはできません」と強調。顧客の1人ひとりにあったスタイリングを提案できるスキルを磨いていけるよう指導する。

 さらに「スタイリストは自分より年上で目上の人にも説得力ある提案ができないと駄目です」と話し、コミュニケーション力向上の重要性を指摘。本稿では具体的な教育のアプローチ方法について聞いた。さらにスタイリストたちの困りごとを察知する力の源泉についても探っている。

2017年5月号 <ソリューション&サービス>

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ソリューション & サービス

<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。

FAQシステム

「探しやすさ」「管理しやすさ」を両立
顧客の“第一体験”を向上する機能

顧客の行動の起点は、いまやWebに集約されている。言い換えれば、Webサイトにおける顧客体験で企業の第一印象が決定づけられてしまう。サイトの重要なコンテンツであるFAQは、顧客が求める情報を手間なく確実に見つけられる状態を保つことが重要だ。主なFAQシステムから、見せ方・保ち方のポイントを検証する。

 疑問解決や製品購入の検討──。消費者の行動起点は、いまやWebに集約されている。Webサイトで自己解決できなかった場合は、そのまま「諦める(=離反する)」可能性が高い。今後、電話による問い合わせが減少していくことが予測される以上、コンタクトセンターは、「自己解決できなければ電話してくれる」という考え方は捨て、Webにおける顧客満足を高める努力が求められる。Webサイトの情報基盤である公開FAQ(Web-FAQ)において、求める情報を手間なく確実に見つけられる「探しやすさ」、その状態を保つための「管理しやすさ」の2点に着目し、トレンドを検証する。

図 FAQシステム活用イメージ

図 FAQシステム活用イメージ

※画像をクリックして拡大できます

2017年5月号 <センター探訪>

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センター探訪

20名以上が在籍するお客様相談室

第一期の新卒社員の松田優衣さん(左)と花輪陽子さん

センター探訪

商品群が陳列されている

センター探訪

お客様からの御礼は大きなボードで飾っている

江崎グリコ

体育館、部活動、社食……
「工場内センター」のES充実設備

 江崎グリコのお客様センターは、大阪市西淀川区の本社にある。センターを訪れて最初に目に入るのは、膨大な商品のパッケージだ。グリコやポッキー、カプリコなどの有名どころはもちろん、季節ごとや地域ごとに発売される限定品などのパッケージも陳列されている。

 オペレータは15名、SVは4名。品質保証部や製造部とも連携しながら対応を行う。店頭の売り場が変更となる春と秋には、大規模な新製品発売がある。そのタイミングで、開発関係者が説明をする試食会が開かれる。

 同センターの大きな魅力は、工場も同じ敷地内にあるため多くの設備が自由に使える点だ。大型食堂、カフェ、売店などがあり、カフェには「デリプレートランチ」「カレープレートランチ」、焼きたてのパンなど充実したメニューがある。

 その他、トレーニングジムや体育館、シャワー室や大浴場まである。以前、工場内で製造していたカレーの匂いが衣服について、帰宅前にシャワーやお風呂に入りたいという声が多く、大浴場を設置したという。大浴場は、今ではあまり使われてはいないが、体育館でのサークル活動などの後にはシャワー室を利用している社員もいる。

 休憩時間や業務終了後にはテニスやバドミントンを楽しむ社員も多い。気分転換は仕事の大きなモチベーションになっているようだ。

センター探訪

部活動などに使われている体育館

センター探訪

センター探訪

大浴場とシャワー室

2017年5月号 <わたちゃんのかすたま〜えくすぺりえんす>

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わたちゃん

「最適解」より「満足解」の時代?

ISラボ 代表 渡部弘毅

 アパレルショップで何を買おうかと迷っていると、店員さんが薦めてくれるものに決めてしまう、わたちゃんです。いくつか店員さんが選んできて「これがお似合いですよ」と言われると、「それください」というパターンで、たいがい高い方になっています。意思決定とは難しいものなのです。

 経営にはさまざまな意思決定の場面があります。そして、意思決定プロセスには2つの種類があります。ひとつは最適解を導き出すやりかた、もうひとつは満足解を導くやりかたです。最適解とは、意思決定をする側が、すべての選択案を洗い出し、その中から最も適した案を吟味して選択する手法です。一方、満足解は最低限求める“要素”をあらかじめ決めておき、身近にある2〜3の選択案から即座に決める方法です。

 なだらかな右肩上がりの経営状態や市場環境の未来がある程度想定される状況であれば、すべての選択肢を洗い出して検討するという最適解の導き出し方が最適な意思決定の手段とされていました。ところが、経営環境や技術トレンドが目まぐるしく変化する市場においては、スピード重視で、最適解より満足解で決定することが望ましいと言われています。

図 最適解と満足解の意思決定

図 最適解と満足解の意思決定

 これは私生活でもあてはまります。レストランで何を食べるかなかなか決められずにいつも仲間の中で最後に注文する人や、服を買おうとさまざまな店舗を歩き回って疲れきったあげくに、「やっぱりやめておこう」と買わずに帰る人は、最適解で意思決定しているのかもしれません。また、結婚したいけどできずに婚期が遅れる人も、最適解で意思決定しているケースもあります。女性の場合だと、いわゆる「いつか王子様が白馬にのって私を迎えにきてくれる!」という願望を持ち、いつまでも最適解との出会いを待ち続けているタイプです。別名「白馬王子様症候群」とも言います。

 これに比べて、満足解で相手を選ぶ人は早いです。あっという間に結婚し、別に比べる人が現れるとすぐ乗り換える人もいます。松田聖子ちゃんはおそらく満足解のタイプと言えるでしょう。

 市場変化が激しい昨今では経営では満足解の意思決定が望ましいと言われますが、経営には我慢も必要なので、満足解で決定したら我慢して頑張ることも重要です。次々と比較するものが出てきて乗り換えていたのでは社員がついてきません。

 聖子ちゃんが経営者だったら、即決かつ朝令暮改タイプかもしれません。でも、「聖子ちゃんならついて行きたい!」──これがカリスマの魅力なのです。アパレルショップで店員さんに決定権をゆだねてしまう僕としては、満足解の意思決定でぐいぐい引っ張ってくれる聖子ちゃんタイプの上司が最適なのかもしれません。

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