<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。
日本郵便
ナビダイヤルでコールの状況を可視化
設備投資ナシで実現した郵便局業務の効率化
郵便業務に加え、金融窓口(銀行、保険)まで、街の郵便局は、いくつもの“顔”を併せ持つ。これらの問い合わせは、各郵便局の担当窓口において受電することになっているが、一部の郵便局では郵便に関する問い合わせが銀行の窓口に着信するケースがあり、転送や保留対応などで本来業務を圧迫していた。そこで、NTTコミュニケーションズの着信者課金サービス「ナビダイヤル」を採用。同サービスのIVR機能を活用し、各局の問い合わせ対応の負荷軽減に着手した。
今月のPOINTS!
■システム概要
18の集配郵便局にナビダイヤルを採用し各代表番号を「0570」に変更。IVR機能の活用により適切な担当者に着信する仕組みを構築し、多様な問い合わせが集まる窓口業務の効率化を図った。
■選び方のポイント
設備不要で利用開始できることが最大のポイント。各局にシステム構築・追加の負担をかけないこと、本社側で各局のコールトラフィックの推移を見ながらコスト、運用の両面において最適化を図れる点を評価した。
■使い方のポイント
集配郵便局ごとに営業時間や業務内容、顧客の特性が異なるため、オリジナルガイダンス作成機能を利用して、個別に音声ガイダンスを用意。先行導入した局では、AHT(平均処理時間)の短縮とともに、「つながらない」ことによる苦情も大幅に減少した。効果の大きい局では、転送や取次を約75%削減できた。今後は、トラフィックレポートに基づいてIVRフローや音声ガイダンスを見直し、さらなる接続品質の向上に努める方針を示している。
総務部 社会貢献・CS推進室 係長
宮坂裕次氏
図 先行導入局の事例
※画像をクリックして拡大できます