発想力と行動力を武器に
前人未到の7年連続受賞をけん引
SBI証券
コールセンター次長
長島 佳子 氏
Profile
長島 佳子 氏(ながしま・けいこ)
2003年、イー・トレード証券(現SBI証券)入社。パート・契約社員を経て現在に至る。2007年からは品質管理チームに所属し、新人育成をはじめ、センター全体の電話応対品質向上および、生産性向上を目的としたさまざまな活動を継続的に行なっている。
コンタクトセンター・アワードにおいて、7年連続で最優秀部門賞を受賞しているSBI証券。前人未到ともいえる大記録を支えた人材の1人が、長島佳子さんだ。
最初の受賞だった「ありがとうコール」の導入、フラッシュを活用した会話トレーニング、コミュニケーション・ツールのひとつである「DiSC」理論に基づいたタイプ別顧客対応マニュアルなど、数多くの人材育成プログラム確立に尽力。経営層への働きかけと現場への落とし込みにも大きな貢献を果たした。社内外で高評価を受ける同社センターの礎を築いた最大の功労者として表彰された。
とくに、顧客からのお礼をカウントし、その比率を品質基準とした「ありがとうコール」の導入による貢献度は大きい。コールセンターの対応品質と生産性向上をもたらしたこの取り組みは、同社による成果報告の後、数多くのコールセンターで導入され、新たなKPIとして業界全体に定着した。長島さんは導入だけでなく、その維持にも努め、現場の顧客志向はさらに進化。とくに一次対応時における顧客満足度の高さは顕著で、エスカレーション率は月間平均0.09%、ほぼたらい回しがない品質を実現している。
オペレータの価値を向上した
さまざまな取り組みを主導
長島さんの最大の長所は、その発想力と行動力だ。リードしてきたさまざまな取り組みは、結果をイメージしやすいシンプルでわかりやすいものばかり。さらに現場スタッフへの説明に大きな力を割くので、メンバー全員が納得感を持って改善にあたることができる。リーダーを務める品質管理チームには、「長島イズム」というべき改善への強い意識が浸透しているという。
成果がわかりやすく出るため、オペレータのロイヤルティ向上にもつながっており、結果的に離職率改善ももたらしている。
顧客満足度向上と社外での評価の高まりによって、同社内におけるコールセンターの位置づけは大きく変わった。とくに現場を支えるオペレータの価値が見直され、働きやすさ改善の取り組みがセンターマネジメントではなく、本部主導で実施されている。新入社員研修の実践部署にも指定され、さらにWebサイトや顧客への通知など、顧客接点に関わるツールはすべてコールセンターのチェックが必要となっている。
こうした環境改善のドライバーとして、さまざまな取り組みを主導してきた長島さんの今後の活躍がさらに注目される。