座談会
<サブスク時代の離反防止>
「解約時のエフォート」がロイヤルティを左右する
変化する“リテンション”“チャーン”の考え方と対策
定期購買の離反防止対策には、顧客への企業の姿勢が顕著にあらわれる。クチコミを考慮すべき時代に、安易で強引な引き止めは、ロイヤルティ向上施策として致命的な結果を招きかねない。BtoC、BtoBで定期購入やサブスクリプションモデルを展開する3社が、取り組みを議論する。
サブスクリプションビジネスの台頭から、定期購買のあり方が変化している。消費者行動の変遷をきっかけに、解約時のカスタマーデザインの見直しが必要になっているようだ。
消費者向け、法人向けに事業を展開する各社でも、事業展開の方針や考え方の転換を図り実行。商品やサービスを販売する形態から、体験も含めた顧客とのつながり方を模索している。
WOWOWコミュニケーションズでは、群雄割拠する動画配信サービスから、消費者が視聴したいタイミングで契約してもらう方針へと転換。番組などのコンテンツを視聴するだけでなく、モノやコトといった体験を通しての顧客とのつながりを作り始めている。
通販事業部門を持つカゴメは、通販業界全体が、消費者が定期購買を避ける“定期離れ”の傾向が強まっていると指摘。Web上からの解約にも対応し、オペレータへ解約することを伝える“気まずさ”を軽減。いつでも気持ちよく、利用を再開してほしいと考えている。
法人向けに、店舗運営に関するプラットフォームをサブスクリプションビジネス展開するSTORESでは、複数のサービスを契約する顧客が多い特性がある。そのため、契約するサービスのうち、ひとつを他社に乗り換え、自社と他社サービスを組み合わせての運用も、顧客のカスタマーエクスペリエンスが向上するならば、最適解のひとつと考える。
出席者(順不同)
渡邊 博 氏
WOWOWコミュニケーションズ
マーケティングソリューション事業本部
ソリューション推進部 兼
ソリューションビジネス第一事業部 部長
松村 國臣 氏
カゴメ
東京本社 営業本部 健康直送事業部
フルフィルメントグループ
課長
高橋 尚之 氏
STORES
オペレーションズ本部
カスタマーサポートグループ
マネージャー