<著者プロフィール>
職業:顧客経験価値にこだわる戦略立案&業務改革コンサルタント
過去勤めたことのある企業:日本ユニシス、日本IBM、日本テレネット
週末の過ごし方:
<ケース1>隅田川あたりをぶらぶら散歩して浅草で飲んだくれたあと銭湯で汗を流す
<ケース2>スポーツジムでヨガレッスンを受けて汗を流す
最近の悩み:昔は痩せの大食いだったのが、最近は小食の小太りになっていること
「サステナブルな経営」の目的を考察する
ISラボ 代表 渡部弘毅
3人目の孫が誕生した、わたちゃんです。嬉しい半面、経済成長のみで突っ走ってきた我々の負債を背負って生きていかなければいけないこの子の将来は大変だろうな、と思い、じいじとして何ができるんだろうか、と考えてしまいました。
サステナブルな経営とは、経済的な成功だけでなく、社会的・環境的な観点も含めた長期的な成功を実現することを意味します。何よりも重要な視点は、サステナブルな経営の目標とは、ただ単にSDGsの目標を達成することや二酸化炭素を減らすこと、差別や貧困をなくすことだけではないということです。これらは確かに大切な目標ですが、あくまで手段の一部にすぎません。
本当に達成すべきゴールとは、「サステナブルな暮らし」、つまり「ウェルビーイングな暮らし」を実現することです。人々がどのように豊かな生活を送ることができるのか、その未来の姿が大切です。健康で満足感のある生活を送りつつ、地球環境を守るような暮らし、それがウェルビーイングな暮らしであり、サステナブルな経営の究極のゴールなのです。
例えば、マーケティング担当者は、商品やサービスの開発段階から、消費者の「ウェルビーイング」をどのように高めるかを考えることが重要です。単に商品の機能性だけでなく、その製造過程や利用後の廃棄によって社会や環境にどのような影響をおよぼすのかという視点も含みます。さらに、その商品やサービスの情報を発信する際には、そのサステナビリティーをどのように訴求するかも重要なポイントです。短期的な売上増を目指すのではなく、長期的な顧客関係を構築するために、企業のサステナビリティーへの取り組みを伝え、消費者の信頼を得るのです。
こうした視点を持つことで、サステナブルな経営は、義務的な目標を達成するものから、未来を見据えたワクワクするような経営へと変わります。そして企業は社会的価値を創出し、長期的な成功を実現することができます。サステナブルな経営、サステナブルな社会、そしてサステナブルな暮らし。これらは密接につながっており、それぞれが互いに影響を与えながら、持続可能な未来を作り出す原動力となります。この視点を持つことで、企業、持続可能な未来を創造する役割を果たすことができるのです。
ということで、自分も微力ながら、子や孫にサステナブルな暮らしを残すために何が貢献できるだろうと考えました。自らサステナブルの意識をもって暮らすとともに、小手先だけでない本質のサステナブルな経営をしている企業の応援から始めたいと思います。
図 3つのサステナブル