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<連載>現場視点での使い方指南 “生成AI”が変えるコールセンターの未来~Online・第5回

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宿命的課題“回答のバラつき”を防ぐ
「プロンプト」でChatGPTを操ろう
・②

2023年10月10日

生成AIを使いこなすには、まず触ってみることが重要だ。次に、どのような入力文(プロンプト)によって、求める答えが引き出せるか検証を重ねる。本連載では、具体的なプロンプトを提示しながら、その検証の“近道”を示す。生成AIを使いこなせば、多くの業務効率化を進めることができる。

Profile

AI Booster
代表取締役
小栗 伸
NTTドコモにて、ドコモショップ2300店舗に導入した「AI電話サービス」をはじめ12のAIプロジェクトを製品化・事業化。NTT DegitalでWeb3事業創出に取り組む傍ら、AI Boosterを設立し生成AIを活用したソリューション提供、導入支援に携わる。


ChatGPTは知識の宝庫

 利用する準備が整ったところで、実際にChatGPTを触ってみたいと思う。「広範な業界知識に基づく自然な応答が可能」と述べたが、果たしてChatGPTはコールセンター業務についてはどれほど理解しているのか。実際に著者がChatGPTにした質問と出力を紹介する。
 図2は、左側がChatGPTのチャット入力欄への入力文を、右側がChatGPTの回答を示したものである。あたかも、コールセンター業務に精通したコンサルタントのような回答が返ってくことがわかるのではないだろうか。


 生成AIに入力する文章のことを一般的に、「プロンプト」と呼ぶ(図3)。図2で示した、「##前提条件」「##命令文」「##出力形式」などが、入力文(プロンプト)だ。ChatGPTを安定的かつ効果的に活用するためには、この入力文(プロンプト)が重要になる。
 「こういうフォーマットを使わないとまともな利用はできないの? 」という感想をお持ちの方もいるかと思うが、そんなことはない。あくまでも、安定的・効果的な出力を目的に、生成AIを使いこなす型(カタ)として、フォーマットが提供されているというイメージが適切だ。例えば、「ご指摘対応で苦労しているお客様に最大限心を込めた謝罪メールを書いて」というように自由な形式で入力しても、まったく構わない。



プロンプトで安定化を図る

 「プロンプト」がなぜ重要かについて少しだけ触れておく。ChatGPTのベースになっているLLM(大規模言語モデル)は、ざっくり説明すると、「人類がこれまで作ってきたさまざまな文章をとにかく学習させて対応関係を学習した知性」のようなものだ。技術的な詳細は割愛するが、本質的には「それまでの文脈を踏まえて、最も出てきそうな言葉を(確率的に)次々に生成していく仕組み」であり、確率的に文章を生成することから、聞くたびに回答が変わったり、回答の深さ(具体性や詳細さ)がまちまちになってしまう特性がある。これを解決するために、プロンプトに工夫を凝らす必要があり、図2で例に挙げたように、前提条件として役割設定を行ったり、出力形式を指定したりすることで、意図した品質・形式でのアウトプットを得ることができるようになる。このように、「安定的かつ効果的・効率的に生成AIから出力を得る」ために、工夫を凝らしてプロンプトを磨き上げることをプロンプト・エンジニアリングと呼ぶ。
 なお、今回は敢えてプロンプトの形式を意識した入力文としているが、特別意識せず「コールセンター職員がどんな業務をしているかまとめてください。」といった自然文で入力しても、十分良い回答が得られるのでぜひ手元で試してほしい。


第1回 第2回 第3回 第4回 

 

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