<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。
SOMPOひまわり生命保険
「Web面談×アバター」で新しい顧客体験を創出
電話だけでは不十分な“深い対話”を実現
SOMPOひまわり生命保険は、保険代理店もしくはライフカウンセラーを通して手続きする「対面販売」と、ネット・郵送手続きを通して契約する「通信販売」の2つの事業を展開。後者を手掛けるダイレクト事業部のコンタクトセンターでは、従来、電話を主要チャネルとしたビジネスを展開していた。しかし、若い世代を中心に音声のみではコミュニケーションが不十分となるケースが散見された。そこで、視覚に訴えて対話できるオンライン面談ツールの活用を検討。顔出しすることに抵抗を持つオペレータがいることを考慮し、保険接客に特化したアバターシステムの導入に至った。
オンライン面談時、オペレータは顧客とWeb画面やPDF資料を共有しながら商品説明や保険相談に応じる(図)。音声だけでなく、視覚的に情報交換することでスムーズなコミュニケーションを実現。顧客満足度と成約率の向上につなげている。
今月のPOINTS!
■システム概要
Web保険代理店事業「保険市場」を展開するアドバンスクリエイトが提供する保険特化型オンライン面談システム「Dynamic OMO」に、ロボット学者の石黒 浩氏が代表を務めるAVITAのアバター技術を実装。アバターの顔の表情や動作は、オペレータが操作するPCのWebカメラと連動して反映される。
■選び方のポイント
若い世代を中心に電話(音声)のみの顧客対応には限界があると考え、視覚的なコミュニケーションでより親身に対話できるチャネルとしてオンライン面談を検討。オペレータが顔を出すことに抵抗がないよう、アバターを通じた接客を取り入 れた。
■使い方のポイント
沖縄センターに在籍する4名のスタッフがアバター専任オペレータとして対応。電話やWebで顧客がアバター接客を希望すれば、SMSやメールを通じて接続ナンバーを通知。電話でその番号をオペレータに伝えると接続開始となる。現状、保険相談のみだが、今後は申込書の不備対応や保全・保険金支払いでの活用も検討。
ダイレクト事業部 コンシェルジュCC第1G・第2G課長の石田裕朗氏(左)と島袋 瞳氏(右)
図 アバター接客時のオペレータ向けPC画面(左)と顧客向けスマホ画面(右)
※画像をクリックして拡大できます