クラウド型コンタクトセンター導入モデルに見る |
詳細を見る | コンタクトセンターのマネジメントには、様々な運用上の課題が伴う。システムのリプレースや更改のタイミングは、これらを見直す好機だ。コンタクトセンター基盤の領域でも、オンプレミスとクラウドの選択が焦点となる現状において、課題解決につながる視点が求められる。NTTコミュニケーションズの「Arcstar Contact Center」を活用した自社運営のコンタクトセンターと、BPO事業者のコンタクトセンターをモデル事例にして、クラウド型コンタクトセンターのソリューションを活用するメリットについて検証する。 | |
「ムダ、ムラ、ムリのない運営」「マネジメントの一元化」
クラウド型コンタクトセンターの威力
Arcstar Contact Center
NTTコミュニケーションズ
労働集約型かつ雇用体制が多様な職場であるコンタクトセンターには、「コスト面でのムダ、品質面でのムラ、運用面でのムリの排除」と「センターマネジメントの一元化」が求められる。この難題を解消する手段として注目されているのがクラウド型コンタクトセンターのソリューションだ。「コールセンター白書2016」に収録された運営の実態を示すデータおよびNTTコミュニケーションズの「Arcstar Contact Center」の事例モデルを検証、クラウドソリューションのメリットをまとめる。
経営、顧客、オペレーターの視点から
浮上したマネジメントの3大課題
コンタクトセンターのマネジメントで最大のポイントが「ムダ、ムラ、ムリ」のない運営だ。経営の観点からコスト負荷になるムダを排除し、顧客満足のためにつながりやすさと対応品質にムラを生じさせない、離職抑制のためにも現場(オペレーター)にムリを強いない。これらの3大課題のクリアには、ITソリューション、とくに強固なコミュニケーション基盤が必要となる。
コンタクトセンターは、マーケティングやプロモーション、営業活動の"受け皿"として機能する部署だ。従って、その施策の効果次第で呼量が変動する。また、年末に呼量が急増する生命保険やプリンタメーカーの例に見られるように、通信販売、製造業、飲食業など季節変動のある業種は少なくない。
多くのコンタクトセンター運営企業では、「呼量予測に応じた人材の適正配置」を実践しているが(図1)、そのためには人材はもちろん、回線、CTI、オペレーターが操作する顧客管理アプリケーションまで、さまざまなリソースを入電数(あるいは発信数)に合わせて用意する必要がある。
図1 オペレーターのスケジューリングについて(n=213)