<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。
サラヤ
使っていなかったITツールを再利用
「縦割り組織のVOC還流」に挑む
ほぼすべてのコールセンター運営企業が取り組むVOC活動。しかし、いまだにExcelで集計、あるいはテキスト化された情報を目視で確認するなど、ITツールの使いこなしには課題が多い。
衛生用品や健康食品を開発・販売するサラヤは、CRM室を中心としたVOC活動を強化。従来から導入はしていたものの、活用レベルが低かったプラスアルファ・コンサルティングの「見える化エンジン」の機能を見直し、全社活用のためのプロセスやワークフロー構築に挑戦した。営業や開発部門、経営に顧客接点の価値を訴求するととともに、全社的なDXシフトの先駆けとなるべく、日々、ツール活用の改善に取り組んでいる。
今月のPOINTS!
■システム概要
プラスアルファ・コンサルティングが提供するテキストマイニングツール「見える化エンジン」は、コールセンターのあらゆるチャネルとSNS、アンケートから得られる顧客の声(VOC)を可視化する機能をクラウドサービスとして提供する。カスタマーエクスペリエンスの見える化ツール、リスク管理まで幅広く活用されている。
■選び方のポイント
もともと約10年前に当時の担当者が採用。活用頻度は高くなかったが、カスタマーサービス部門の強化方針とともにVOC分析の重要性が浮上。改めてITツールを見直したが、各部門で共有できること、既存ツールとの連携性などが再評価され、分析軸や画面構成をカスタマイズして再利用している。
■使い方のポイント
商品に対する意見や要望をコールセンター(委託先含む)やSNSから抽出。関連部署へのフィードバックをポータル画面で行う。事業部ごとに必要な情報をCRM室で分析し、振り分ける。また、営業部門にはeセールスマネージャーなど、他のITツールと連携している。
(左から)コミュニケーション本部CRM室大阪CRMグループ次長 小林幹生氏、CC室室長 新川隆弘氏、CRM室長 大原雅章氏
図 「見える化エンジン」の画面例
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