<著者プロフィール>
職業:顧客経験価値にこだわる戦略立案&業務改革コンサルタント
過去勤めたことのある企業:日本ユニシス、日本IBM、日本テレネット
週末の過ごし方:
<ケース1>隅田川あたりをぶらぶら散歩して浅草で飲んだくれたあと銭湯で汗を流す
<ケース2>スポーツジムでヨガレッスンを受けて汗を流す
最近の悩み:昔は痩せの大食いだったのが、最近は小食の小太りになっていること
「デジタル接客」で向上する
コンタクトセンターの価値
ISラボ 代表 渡部弘毅
親しい年配の方が「孫が6人もいてランドセル破産になりそう」と話しているのを聞いて、「我が家は2人でよかった」と安堵した、わたちゃんです。下の年齢の孫になるほど値段が下がっていくのか、今度聞いてみようと思います。
新型コロナウイルス拡大による自粛・非接触生活の影響により、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などのデジタル技術を最大限に生かした「デジタル接客改革」が大きく進んでいます。
イトーヨーカドーの一部店舗では、ランドセル売り場にデジタルサイネージを設置し、AR技術を活用したバーチャル試着体験サービスを展開しています。色とりどりのランドセルの画像をタッチするとランドセルを背負った姿が瞬時に映しだされ、商品を手に取らなくてもバーチャル上で試着できる仕組みです。
また、三越伊勢丹ホールディングスは、VR技術を使った買い物体験サービスを発表しました。ネット上で3Dのコンピューターグラフィック(CG)でバーチャル空間をつくり、百貨店ならではの買いまわりの楽しみを営業時間に縛られることなく提供する狙いです。
住宅ハウスメーカーのスウェーデンハウスでは、モデルハウス内覧サービス「ハウスウォークスルー」を展開しています。VR技術を使い、3Dキャラクターが360度内覧可能なモデルハウスを案内してくれるサービスです。家具などのデータを空間に配置し確認できます。
いずれの事例もコロナ以前から、一部の先進的な技術の適用事例として提供されていたサービスですが、コロナを機に急速に実用化されました。今後も普及していくことでしょう。
そうした「デジタル接客改革」の中で、人による接客はどのようになっていくのでしょうか。ある小売企業が自社会員に対してコロナ禍における意識を調査した結果、「オンラインへの購買シフトはあるものの、多くのお客様は変わらず人による接客を受けたいというニーズがコロナ以前より増している」ことがわかりました。つまり、「デジタル接客改革」を進め、お客様の利便性を高める一方で、ヒューマンタッチな人的な対応も重要となってきており、さらに人的対応は、今まで以上の高度化が望まれているともいえるでしょう。
こうした、オンラインかつデジタルでの利便性も追求しながらヒューマンタッチな対応を同時に実現できる組織とは、コンタクトセンターに他なりません。お客様のニーズや対応状況に応じて、非対面で最新デジタル技術を駆使しながらヒューマンタッチな応対を可能とするコンタクトセンターは、さらに重要な役割を演じるようになります。
ということで、僕も孫のランドセル購入時にはデジタル&ヒューマンタッチな接客を受けたいと思っていたのですが、カミさん曰く、「慣例ではダンナの親が買う」とのことでどうも出番がないようです。ふところは嬉しいですが、気持ちは少し残念なのです。
図 デジタル接客改革とコンタクトセンター