明暗分けた「チャネルの選択肢」
コロナ禍が浮き彫りにした高評価の要諦
──HDI-Japan
HDI-Japanによる2020年の「公開格付け調査」は、10業界124社で実施。3ツ星企業は、Webサポート47社、問い合わせ窓口45社だった。新型コロナの影響で品質低下が懸念されたが、結果は前年以上。セルフサービスの充実や複数チャネルの連携など、ニューノーマル時代のサポートの姿が見えてきた。
カスタマーサポート/ヘルプデスクの国際認定機関、米HDIの国内拠点であるHDI-Japanでは、Webサポートの有効性と企業の問い合わせ窓口のサポート内容について、HDI国際サポート標準に基づいた“顧客視点”で3ツ星〜星なしの4段階で格付けする「問い合わせ窓口格付け調査」を実施している。例年は1カ月1業界、年間12業界のWebサポートおよび電話サポートを調査しているが、2020年は新型コロナウイルス感染症が拡大。このため、審査内容を含め方針を立て直した。
具体的には、感染拡大に伴い電話窓口が逼迫する状況で調査が困難になったことや、4月の緊急事態宣言の発出を鑑み、5月に調査休止を決定した。さらに、今後の方針を検討するなかで、「パンデミック下では、これまで以上に非接触型のサポートが重要になる。電話以外にも、チャットやメールなどのテキスト系チャネル、Webセルフサービスなど、多様なサポート手段がある。即刻調査を再開し、顧客ニーズがどこにあるか、どんなサポートが望まれているかを明らかにすることが重要」(山下辰巳CEO)と判断。2カ月後の7月に審査内容・項目はそのままに、マルチチャネルでのサポート評価に切り替えて、調査を再開している。
以上の経緯より、2020年は、キャッシュレスから健康食品通販までの10業界124社を調査。結果を図にまとめる。
本誌では、2020年の格付け調査を総括するとともに、ニューノーマル時代に求められるカスタマーサポートの姿を描いている。
図 HDI公開格付け調査結果(2020)
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