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情報処理学会、「ITフォーラム 2021 コンタクトセンターフォーラム」を開催

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情報処理学会はこのほど、オンラインで「ITフォーラム 2021 コンタクトセンターフォーラム」を開催した。

まず、モバイル向けアフターサポートを展開するアサイアンの野村 裕美氏、朴 相日氏が、「Win-Win-Winの応対アシストツール導入事例紹介」と題した講演で、オペレータの顧客対応を支援するAIを自社開発した事例を紹介した。
同社はツールの開発、導入によって、顧客のロイヤルティを示す指標、NPS(ネット・プロモータ・スコア)が10%上昇、解決率が5%アップするなど、大きな成果を創出。その理由として、野村氏は、「現場とシステム開発担当者のコミュニケーションを十分に重ねていった」ことを挙げた。
オペレータがスキルや知識に自信がなく、ナレッジを検索し解決するまでに時間がかかってしまう、といった現場の課題を開発担当者が十分に理解することで、必要十分なアシストを実現するツールの開発につながったという。

次に、CRMソリューションを提供するVeeva Japanの大貫 竜平氏が、「CX時代のエフォートレス体験 -変化する顧客行動への即応 -」を講演。
大貫氏は、「CX向上を図るうえで、まず必要なのはエフォートレス体験の提供。コンタクトセンターには、電話をかけなくても問題が解決することやチャネルを問わずにコンタクトできること、面倒な手続きや電話がつながるまで待つ時間を必要としない窓口の設計、が求められている」と指摘したうえ、それを実現するためのデジタルシフトの重要性を訴えた。

コールセンターの人材育成に詳しい、コンサルタントのクリエイトキャリア寺下 薫氏は、「リモートワーク時代のマネジメント」について講演した。
寺下氏は、オンラインコミュニケーションの難しさを強調。雑談や性善説に則ったマネジメントの重要性を訴えた。
また、寺下は、「オンライントレーニングは対面のトレーニングとはまったく異なるやり方で進めるべき」と強調。具体的なポイントとして、①トレーナーは笑顔で話すこと、②ゆっくりと話すこと、③カメラ目線を意識すること――を挙げた。

最後に、3つの講演を振り返る形で、パネルディスカッションを行った。コンタクトセンターフォーラムの理事を務める、つなぐ研究所の河合 洋氏がモデレータを務め、パネリストは、野村氏、朴氏、大貫氏、寺下氏が登壇した。
河合氏が、「新しい施策は、現場からの反発が起こりやすい」と指摘すると、野村氏は、「開発担当チームが、何度も現場に足を運んで、何に困っているのか、具体的な声を聞きながら進めたことで、反発を抑えられたと感じる」と返した。
野村氏が、デジタル化が思うように進まない企業に対するアドバイスを求めると、大貫氏は、「既存のサービスをデジタル化するのは難易度が高いが、新規サービスではデジタル化を進めやすいはず。本当に電話窓口が必要なのか、などを検討しながら、新たなCXの創造を進めて欲しい」と答えた。



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