長期戦必至! “対コロナ”戦線
コールセンター「脱・3密」の提言
Part.1 <課題と提言>
「品質見直し」「ベストプラクティスの応用」
“在宅シフト”への現実的な取り組み
新型コロナウイルス感染症によって、コールセンターのマネジメントは過去にない、大きな試練を強いられている。さまざまなオフィスワークで進行しているテレワークがなかなか実施できない背景、実施するためのポイント、そして「3密」回避のための施策をまとめる。最大のポイントは、「サービス品質の見直し」「リソースの集中化」だ。
「密閉、密集、密接」の“3密”の回避が難しい職場といわれるコールセンター。一方で、主要な自治体、厚生労働省などの行政機関は新型コロナウイルス専門の相談コールセンターを設置。他にも金融、運輸、通信、公共の窓口など、生活に欠かせない存在であることも、改めて認知されはじめている。
市民生活にとって不可欠な社会インフラとしての存在価値と、3密の環境で稼働せざるを得ない現場のジレンマをどう解消すべきか。運営企業の現状や対策、識者の見解をベースに課題を検証したうえで、4つの提言をまとめる(図)。
新型コロナウイルス感染症との闘いは、長期戦の様相を呈している。専門家の見解では、「第2波、3波はほぼ確実」で、ワクチン開発にも相当の期間を要しそうだ。コールセンターでは、労働環境の改善と顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)の維持を図る必要がある。誌面では現場での取り組みチェックリストも掲載した。
図 「脱・3密」の4つの提言
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(1)在宅センター事例
業界驚愕の「95%を在宅化」!
10年がかりで積み重ねたBCPが結実
チューリッヒ保険会社
(2)在宅センターのマネジメント
システム、執務環境、マネジメント
在宅センター構築3つのポイント
アデコ キャリア推進部長 増山 辰祐 氏
Part.2 <ネット DE 座談会>
在宅移行、休業補償、メンタルケア
事業継続のために貫く“現場ファースト”
緊急事態宣言後のコールセンター運営は、現場の「3密」回避と、サービス品質のバランスを取ることが急務となっている。国内でもっとも早く緊急事態宣言を敷いた札幌市に拠点を持つWOWOWコミュニケーションズ、松井証券と、在宅シフトに成功したロイヤルカナン ジャポンのマネジメント担当者とネットを介した座談会を実施。「罹患者が出た場合の対策」「休業中の手当」「リモートワークにおけるコミュニケーション」など、具体的な施策、課題について聞いた(内容は4月21日段階の取り組み)。
出席者(順不同)
●渡邊 博(わたなべ ひろし)氏
WOWOWコミュニケーションズ 営業部 部長
●今井 崇人(いまい たかひと)氏
松井証券 顧客サポート部長
●浜名 祐司(はまな ゆうじ)氏
松井証券 顧客サポート部 札幌センター長
●武者 昌彦(むしゃ あきひこ)氏
ロイヤルカナン ジャポン
コーポレートアフェアーズ カスタマーケアマネージャー