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2019年11月号 <マネジメント・オブ・ザ・イヤー 2018>

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西村 和之 氏

FAQ、チャットボットの導入をリード
社内外でステータス向上に貢献

ファンケル
カスタマーサービスセンター 業務部
バックオフィスグループ 課長
西村 和之 氏

Profile

西村 和之 氏(にしむら・かずゆき)

2005年ファンケル入社。カスタマーサービスセンター配属。受注関連事務(8年間)・電話窓口(3年間)・物流運営企画管理(4年間)に従事。現在は業務部に所属しながら、センター配属新入社員向け『通信販売フルフィルメント研修』の実施や受注関連事務における業務時間削減プロジェクトの推進役を担い、センター全体の働き方改革活動を実行中。

 スマートフォンの普及は、消費者の行動を劇的に変化させている。しかし、企業側、とくにそれぞれの業界で“老舗”と呼ばれる企業ほど、顧客接点やカスタマーサービスが変化していない傾向が強い。通販大手の一角、ファンケルも同様だった。カスタマーサービスセンター 業務部バックオフィスグループの西村和之課長は、「コールセンター、ECサイト、FAQの運用においては、約10年、何も変化していませんでした」と振り返る。

 西村課長は、オンライン上のFAQに着目。「従来は、Web担当部門が主管し、更新頻度は月に1回程度。内容は詳しくてもテキスト中心で探しにくかったことは否めません。そこで関連部門と調整を進め、FAQシステムとチャットボットの導入を説得してまわりました」と、新ツール導入に奔走した。

他部門を巻き込むパワーで
短期間で数値成果を確認

 導入決定からわずか1カ月半でリニューアルしたFAQサイトは、問い合わせの多い6項目をアイコン化して目立つように配置。また、更新を含めた運用をWeb担当部門から問い合わせ窓口に移管した。西村課長は、導入効果を測定すべくKPIを設定し、閲覧率や0件ヒット率、アンケートの解答率や解決率を起点とした改善をリード。とくに0件ヒット率を重視し、週1回のサイクルでデータを分析、必要なFAQを充実させた。結果、導入以前は300件程度だった コンテンツが500件以上に拡張。窓口営業時間外の時間帯も顧客が自己解決を図るようになりつつある。

 導入後3カ月間は、効果が数字として表れなかったが、半年を過ぎたころから閲覧数が増加。1年が経過した頃は、FAQ閲覧数2倍増、0件ヒット数は3分の2に減少し、導入時の目的のひとつだった入電件数も減少傾向にある。結果、応答率も設定数値を達成している。

 成果は数値面だけではない。問い合わせ窓口が運用することによって、とくにWeb担当部門との連携が強化された。今では「関連部署との定例ミーティングの実施など、連携する機会が格段に増えました」と、コミュニケーションの活性化効果も大きい。

 西村氏は、「ITを導入しても人材(オペレータ)削減の考えはなく、オペレータの能力を十分に発揮させ、人材を活かすシステム構築を目指す」と意気込む。


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