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2019年4月号 <リーダー・オブ・ザ・イヤー 2018>

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山口 利治 氏

顧客接点マネジメントの真髄
「継続的業務改善」の頼もしいリーダー

DHLジャパン
カスタマーサービス本部
カスタマーケアお客様相談室長
山口 利治 氏

Profile

山口 利治 氏(やまぐち・としはる)

1998年にDHLジャパンの通関部へ入社、2003年にカスタマーサービス本部カスタマーケアに異動し、その後、同チームのスーパーバイザーを経て、2016年11月にお客様相談室長に着任。さまざまな改善の活動を通して、応対品質、業務効率化、苦情解決率の向上を図っている。

 コンタクトセンターのマネジメントとは、“業務改善の反復活動をリードすること”と言っても過言ではない。DHLジャパンは、「ファーストチョイス」という継続的改善活動プログラムを導入。カスタマーサービス本部カスタマーケアお客様相談室長の山口利治さんは、同プログラムのスキルや経験値を測定する指標である認証制度で最高位のGOLD認定を取得している。

 山口さんは、2017年、お客様相談室で8件の改善活動を支援した。一例をあげると、アップセルの促進だ。同社では、顧客がWebサイト経由で集荷依頼する比率が高まったことで、センターのスタッフによるアップセル機会が著しく減少。そこでスクリプトを導入、積極的な活用を推し進めた結果、アップセリング率の向上に成功している。他にも荷物の追跡調査における不要な引き継ぎの防止、苦情解決・再発プロセス防止の構築などをけん引し、部門全体の改善に対する意識向上をもたらしている。

経営損失も防ぐ!
徹底した原因分析と対策の立案

 お客様相談室にとっては宿命ともいえる苦情対応。これについても、1件1件、丹念に苦情の原因分析を行い、業務部門と協力し再発防止に繋がるプロセスを構築した。

 山口さんは、「これは2015年のことになりますが、日本発の貨物に輸送状の貼り付けミスが発生し、お客様に大変なご迷惑をおかけするとともに、解決にコストが生じたことがありました。そこで原因調査と対策を行った結果、ミスを0.00093%まで削減し、年間補償額も当時より20%近く減らすことができました」と過去の事例を説明する。

 コールセンターに限らず、顧客接点におけるミスの発生はロイヤルティを低下させるだけでなく、即座に「補償」という経済的損失を招くことも多い。経営の観点からみても、接点組織における改善を主導できるリーダーシップは重要な要素であり、山口さんの取り組みはまさに「ベストプラクティス」といえそうだ。

 山口さんは、2017年4月には、海外でアドバイザートレーニングを受講、認定されたことによって、部門のみならず全社向けのプロセス改善のサポートを開始している。「今後はカスタマーサービスの向上のみならず、全社的な改善マインドの醸成と、改善活動のサポートもやっていきたい」と意気込む。


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