“つながらない体験”を可視化する
「カスタマコントロール」活用のススメ
限られたリソースを有効活用するには、「とれなかった電話」の正確な把握が不可欠だ。“つながらない体験”はPBXから出力されるレポートでは把握できない。NTTコミュニケーションズが提供するフリー/ナビダイヤルの管理機能「カスタマコントロール」の活用法を検証する。
企業が真の意味で顧客を理解するには、着信後のCS(顧客満足)だけではなく着信前のCX(顧客体験)にも関心を払う必要がある。そのためには、“顧客が発信してから着信するまでの体験”の可視化が欠かせない。
PBXのレポートで確認できるのは、図に示す(2)着信呼数からで、(1)発呼数や(5)話中呼数は通信キャリアが提供するレポートでしか把握できない。フリーダイヤル/ナビダイヤルを契約している場合は、カスタマコントロールの管理画面からいつでも容易に把握できる。
労働人口が減少するなか、「呼量に合わせて必要要員数を集める」といった従来型のマネジメントが通用しなくなっている。今後は、より精度の高い呼量のコントロールとリソースマネジメントが必要だ。カスタマコントロールでは時間帯ごとの話中呼数をみたり、かけ直している顧客の数や、発信元が固定電話か携帯電話かといったレポートもオプションで取得できる。発信者の分析は、自動化すべきコールと有人対応すべきコールの分類につながり、限られたリソースを有効活用するためには不可欠な取り組みだ。
相次ぐ災害を受け、BCP対策の一環でナビダイヤルを検討する企業も少なくない。被災地域の着信を他拠点に振り分けたり、IVRの案内を変更するといったマネジメントも、カスタマコントロールを使えばどこの拠点からでも可能だ。実際に、2018年9月の北海道胆振東部地震ではこれらの機能を活用したセンターが数多くあった。携帯電話からの問い合わせについては、SMSでFAQサイトや折り返しコールの申し込みサイトのURLも送信でき、これも緊急時のあふれ呼対策として浸透しつつある。
図 コールボリュームの定義
(資料提供:コールセンターの教科書プロジェクト 熊澤伸宏氏)
※画像をクリックして拡大できます