凸版印刷は、主要株主のBAIN CAPITAL BELLSYSTEM HONG KONG LIMITEDからベルシステム24の株式の約14%とベルシステム24ホールディングスの元代表取締役が保有する新株予約権を取得する予定。
凸版印刷は、主要株主のBAIN CAPITAL BELLSYSTEM HONG KONG LIMITEDからベルシステム24の株式の約14%とベルシステム24ホールディングスの元代表取締役が保有する新株予約権を取得する予定。
シニアが“活躍する環境”の作り方
ポイントは本人ではなく「SVの育成」
シニア層のオペレータ採用は、教育の手間や生産性の低下を懸念する声もある。しかし、定着してからの離職率の低さ、責任感の強さからくる高いモチベーションなど、メリットも多い。多くの採用実績を持つTMJ、キャリア、TISの3社の取り組みから、シニアオペレータが活躍できる「環境」を考察する。
「はるかに年下のSVが教育できるのか」「着台までに時間がかかるのでは」「柔軟性ある対応ができるのか」などを懸念して、積極採用に踏み切れないセンターが少なくないシニア人材。だが、今後も解消の見込みがない採用難の中、シニア層は活用できれば大きな武器となるはずだ。
今回取材したのは、50〜60代以上のエルダー/シニア層を積極採用しているTMJ、キャリア、TISの3社。事例からは、(1)一度定着すると離職率が低い、(2)責任感が強く、仕事に対するモチベーションも高い、という特性が明らかになった。就業目的が“社会貢献”という人材も多いため、総じて若年層よりモチベーションは高い。
キャリアでは、55歳未満の就業者と比較すると欠勤率も離職率もかなり低い実績があるという。シニアオペレータの採用は単なる人手不足解消にとどまらない大きなメリットがある。
3社の事例から、シニアオペレータの就業サポートのポイントを探る。
「サポート専門職」の声から課題を探る
進化の余地大きいセルフサービス機能
HDI-Japan
HDI-Japanが実施した「サポート専門職実態調査」は、カスタマーサポートの従事者が属性を問わず、自社のサポート実践状況を回答。設問範囲は業種から解決状況、教育、年収まで幅広い。そのなかから、チャネル、ツール、スキル、年収の結果を抜粋する。
カスタマーサポート、とくにテクニカルサポートは、「専門職」という色合いが濃い。ヘルプデスクの品質やパフォーマンスに関する国際機関である米HDIは、その業務を支える仕組み、そして人材に対する報酬、求められているスキルなど、「実態」をベンチマークする目的でサポート業界実態調査を実施している。
日本においても、同様の「サポート専門職実態調査」をHDI-Japanが実施。その結果の一部を抜粋する。
採用チャネルは、「電話」と「メール」の比率が圧倒的に高い。特徴が見られたのは「メールの返信時間」で、一般的な標準とされる「24時間以内」よりもかなり短い「1時間以内」という回答が多かった。
対応品質や生産性を支えるツールは「FAQ」が多く、必須ツールとなっていることがわかる。
またスキルは、対応要員だけでなく、センター長級のマネジメントにも「顧客サービススキル」が求められていると認識している回答者が多い。
図 サポートチャネル
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「単なるEC化」は企業価値を損ねる?!
カタログの強みを活かすオムニチャネル戦略
ディノス・セシール
CECO(Chief e-Commerce Officer)
EC本部EC企画部 ゼネラルマネージャー
石川 森生 氏
大手、老舗といわれる通販会社ほど、Eコマースに注力している。ディノス・セシールも、さまざまなEコマース事業を成功に導いた石川森生氏を招へいした。石川氏は、「単にEコマースにリプレースするだけでは、企業価値を下げかねない」と強調。「カタログ通販の弱点をWebで補う」という有機的連携サービスを生み出そうとしている。
Profile
石川 森生 氏(Moriu Ishikawa)
ディノス・セシール CECO(Chief e-Commerce Officer)
EC本部EC企画部 ゼネラルマネージャー
SBIホールディングスに入社。SBIナビ(現・ナビプラス)の立ち上げに参画。その後、ファッション通販サイト・マガシークでマーケティング部門の責任者としてサイトリニューアルや改善のPDCAを確立。広告CRM最適化、海外の最先端ソリューション導入を推進。タイセイのWeb部門を分社化した「TUKURU」を創業。2016年2月より現職。
──Eコマース一筋の経歴から、カタログやTVを主力とした通販会社に転職されました。期待されているミッションを教えてください。
石川 最初は、「カタログからWebへのシフトでコスト効率を向上する」という、ありがちな動機で(ディノス・セシールに)呼ばれたと認識していました。実際にEコマースサイトはありますが、あくまで受注の手段、つまり「キャッシャー」という位置づけに過ぎないのが現状です。多くの総合通販企業同様、受注手段としてだけでなく、“Webで完結できるビジネスへのリプレース”が当初のミッションでした。
しかし、入社後に感じたのは、カタログ通販というビジネスの完成度の高さです。長年の事業展開によって蓄積されているノウハウと、既存顧客層の分厚さは、これまで経験してきたEコマースにはない要素でした。また、業務全体を洗い直してみると、実はムダなプロセスがほとんどない。CRMがきちんと回っているのです。すでに最適化されているビジネスモデルなのに、無理やりEコマース化や効率化を進めては、これまでのお客様にリーチする機会を喪失する──生命線ともいえるハウスリスト全体の減少を招きかねません。そこで、単純なWeb(Eコマース)へのリプレースではなく、「Webを使って紙(カタログ)の短所を埋めていく」べきではないかと考えたのです。
Webでカタログの短所を埋める
第一弾サービスを開始
──カタログ通販とEコマースの違いについて、もう少し具体的に教えてください。
石川 わかりやすい例をあげると、情報発信に対するKPIである「リーチ率」があります。Eビジネスの主要手段であるメルマガと、カタログ通販におけるDM(郵送)では、同じリーチ率でもまったく意味合いが違います。メルマガは、確かにローコストですが、リーチして開封される率は高くても数%程度。その一方で、カタログやDMは直接、ポストに投函されますので、「手に取る」確率は限りなく100%に近い。さらに言うと、メールやWebと比較して、カタログの訴求力、そして保存性は比べモノにならないほど高いと感じています。メルマガを何度も読み返す消費者はほとんどいませんが、カタログはそうではありません。購買のモチベーションを作るパワーという点では、紙媒体の方が強いのではないでしょうか。
──紙媒体の短所を埋める具体的な手法は。
(聞き手・矢島 竜児)
続きは本誌をご覧ください
小川 勇樹 氏
取締役 兼 営業第一部 部長
<コーナー解説>
ITソリューションベンダーのキーマンに製品・販売戦略を聞きます。
コラボス
声のデータを活かすプラットフォームを提供
コールセンターの経営貢献を支援する
企業PROFILE
本社所在地:東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリーイーストタワー17階
代表:茂木貴雄 代表取締役社長
設立:2001年10月26日
資本金:3億486万1千円(2017年9月30日現在)
URL:www.collabos.com/
<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。
住友林業情報システム
自己解決をあきらめさせない
「誰でも使えるFAQ」の構築・運用ポイント
住友林業グループのシステム開発・運用を一手に担う住友林業情報システムのヘルプデスク業務の対応件数は月間5000件前後だ。しかし、ITの利用環境など個別の条件に依存しがちなため、コールリーズンは約3000種にもおよぶ。このうち、定型回答が可能な用件をアクセラテクノロジ「BizAntenna」を活用したFAQサイトに誘導し、自己解決促進による業務負荷軽減を図った。
今月のPOINTS!
■システム概要
アクセラテクノロジのFAQシステム「BizAntenna」を活用し、FAQサイト「ヘルプの森」をオープンした。システムやサーバー、デバイスなど、業務ITに関する問い合わせのうち、定型的な回答が可能なFAQコンテンツを厳選し掲載している。
■選び方のポイント
利用者がスムーズに自己解決できるよう、「ログイン不要」「検索機能の充実」を基準にシステムを選定した。さらに、検討段階からアクセラテクノロジによる運用ノウハウの提供があったことも導入を後押しした。
■使い方のポイント
ヘルプの森の開設および操作方法の周知を徹底。「ヘルプの森アイコン一斉配布」「電話での問い合わせ時にFAQを誘導」「FAQ利用方法をコンテンツ化」などにより、利用促進を図った。結果、オペレータ1名分以上の問い合わせ対応数をカバーできている。さらに、ナレッジ機能を利用してオペレータ向けナレッジコミュニティを構築するなど、さまざまな機能の使いこなしに取り組み、効果を測っている。
ICTビジネスサービス部グループリーダーの田中美和子氏(左下)とヘルプの森ワーキングメンバー
図 周知に活用した「FAQの利用手順」
FAQの使い方を順を追って説明。とくに“入口”となる検索方法は画像を使ってわかりやすくした
<コーナー解説>
コールセンターの業務改善のビフォー・アフターを中心に施策をまとめます。
ポッカサッポロフード&ビバレッジ
お客様相談室を“経営拠点化”する
VOC活用「3つの要諦」
今月のHints!
お客様相談室やカスタマーサービス部門には、顧客対応ノウハウが蓄積されているが、全社での顧客対応教育に活用されているケースは少ない。
ポッカサッポロフード&ビバレッジは、収集したVOCを活用して商品の販売力を強化し、営業担当者への顧客対応教育も担う部門へと成長を遂げた。
ポイントは、(1)迅速な顧客対応を可能とする体制、(2)営業担当者とのコミュニケーション、(3)“売り上げ貢献に直結する”データの見極めと提供の3点だ。
図 VOC活用
※画像をクリックして拡大できます
目指すは「消費者の変化を捉えるIT」
エコシステム強化でシェア拡大図る
米ジェネシス
PureCloud事業部門
エグゼクティブバイスプレジデント
オリビエ・ジューブ氏
PROFILE
オリビエ・ジューブ 氏(Olivier Jouve)
スタートアップから大手まで、さまざまなテクノロジー企業のプロダクトマネジメントや研究開発に従事。AI、IoT、BIなど、30年以上にわたって培った技術・ノウハウを活かし、現職に就任。
クラウド型プラットフォーム「PureCloud」の契約が“1日1社ペース”と好調の米ジェネシス。8月にPureCloudの事業部門責任者に就いたオリビエ・ジューブ氏は、成長促進を目指し、Amazon Web Servicesやキャリアなど、パートナー拡充によるサービス強化とエコシステム構築に意欲を見せる。
──IT市場全体のクラウドシフトが進むなかで、「PureCloud」の販売状況はどのように推移していますか。
ジューブ グローバルでは“1日1社”ペースで導入されており、好調です。解約率についても、一般的には7〜8%で“健康”な経営状態とされますが、3%以下を維持しています。オンプレミスと比べてリプレースしやすいクラウドサービスで解約率が低いのは、“今のカスタマーサービス”におけるニーズをしっかり捉えた開発・機能強化を進められている結果だと考えています。
──開発・機能強化のポイントを教えてください。
ジューブ 最大の特徴は、柔軟な機能拡充が可能なアーキテクチャにあります。短期間で劇的に変化する消費者の購買行動に合わせて、顧客接点であるコンタクトセンターは必要な機能をタイムリーに取り込んでいくことができます。直近1年だけでも150の機能を追加しています。機能強化の実施回数に比例して導入社数の増加ペースが早まっていることが、ニーズを捉えている証左と言えるでしょう。
──今後の導入目標は。
ジューブ 現在の2倍のペースとなる“1日2社”を目標としています。そのためには、ビジネスの約50%を占める米国だけでなく、シェア上位の国々を中心に、さらに導入価値を高める必要があると考えています。
──日本市場をどう見ていますか。
ジューブ 米国をシェア第1位とするならば、第2位か3位に位置する重要市場と捉えています。さらに、グローバルと比較して、日本はまだクラウドシフトが進んでいないように見えます。PureCloud導入企業の80〜90%がオンプレミスシステムからの移行であることを踏まえると、成長性のある魅力的な存在です。
──日本でもPureCloudの基盤を提供するAWS(Amazon Web Services)をはじめ、新プレイヤー参入やオンプレミスベンダーのクラウドモデル拡充など、競争の激化が予想されます。
ジューブ AWSは、競合というよりもサービス強化における協業パートナーです。中長期的な戦略として、PCを除くコンタクトセンター構築に必要なシステムをすべてクラウド上で提供する“フルクラウド”を実現するには、AWS上でのキャリア網接続が不可欠です。その実現に向け、日本も含む各国のキャリアとのパートナーシップ構築を進めているところです。他の競合各社に対しては、機能だけでなく販売パートナーを拡充して差別化を図る考えです。まず機能面では、日本でユーザー数の多い「LINE」への対応を2018年初頭に予定しています。
コラム
市界良好:第69回
専門性とは
秋山紀郎
AfterCall~電話の後で:第69回
“スキル以上”のオムニチャネルは
かえって不満を増やす要因になる
長掛文子
3 Minutes Lesson 毎日できるメンタル・ケア:第50回
「寄り道部屋」を造ってみませんか?
奥 富美子
わたちゃんのかすたま〜えくすぺりえんす:第35回
渡部弘毅
実践
ナレッジを作る! 育てる!!『組織的サポート力』強化の極意:第3回
チャットボットやAIで顧客満足を高める
多様化するチャネルとナレッジ活用
早見拓也
ナレッジ活用には、全社で目的を共有し、時間と覚悟をもって取り組みたい。本連載では『組織的サポート力』強化のためのナレッジ活用術と体制づくりに言及、前回まで『KCS(Knowledge Centered Support)モデル』の重要性について解説してきた。今回からは、2回に分けて、チャットボットやAIなど、新しいサポート手段やナレッジ活用について触れたい。
基礎
新任マネージャーのためのコールセンター運営の基礎知識:第6回
品質・生産性・収益性──
3方向から現状把握するKPI管理
五月女 尚
KPI管理は、マネージャーにとってもっとも重要なタスクのひとつだ。にもかかわらず、応答率をはじめとした“繋がりやすさ”を示す指標のみを見て満足している管理者は少なくない。コールセンターのKPIはあまりにも多岐にわたるため、どのKPIをどのように分析すべきか迷うのは当然だ。今回から複数回にわたって勘所を解説する。
チャットボット「はじめの一歩」:第5回(最終回)
音でやり取りするチャットボット
「AIスピーカー」の可能性
長谷佳明
今年、話題となったAIスピーカー。音声とテキストという違いこそあれ、活用されている技術や役割は、チャットボットとほとんど相違ない。AIスピーカー市場が一気に広がったことで、チャットボットの進化が加速している。搭載されるAIの高度化のみならず、チャットボット同士が連携して機能を補完しあう「マルチボット化」も想定より早い速度で進みつつある。
<コーナー解説>
店舗など、コールセンター以外を含めた接客やサービスのプロにその心構えやノウハウを聞きます。
チャンスを運んでくれるのは
“楽しんでもらいたい”という心
ヘアサロン“assolato”
オーナー兼美容師
松井 久典 氏
Profile
専門学校卒業後、都内数店舗勤務。2009年滋賀県彦根市にヘアサロン“assolato”をオープン。現在、同店でオーナー兼美容師として活躍する傍ら、表参道“accorto”で美容師を務める。
離職率がかなり高いと言われる美容室業界。
美容師の松井久典氏は「美容師の1年以内の離職率は70〜80%と言われる世界です。入社して3年間は下積み生活を余儀なくされるためか、夢や希望を大きく持っていた人ほど早くに離職してしまうケースが少なくないようです」と話すほど過酷な業界だ。
そうした状況にも関わらず、松井氏は、表参道など都内数店舗で20年間も美容師として勤務。2009年には、生まれ故郷である滋賀県彦根市内にヘアサロン“assolato”を開業、オーナーにまでなった。
だが、松井氏は元々将来美容師になることを熱望していたわけではない。
「ゆるゆると歩む」をモットーとする松井氏に長く務めることができたモチベーションの源泉やオーナーになった経緯を聞いた。
<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。
アウトバウンドソリューション
チャネル連携、顧客分析支援──
「ロイヤル顧客を創る」アウトバウンド業務
アウトバウンド業務は、目的に基づいた適切なタイミングの架電であれば、顧客との関係強化や売上向上をもたらす。ベンダー各社は、チャネル連携や顧客リストの精度向上によるアウトバウンドの「経営貢献」を訴求している。
従来のテレマーケティング型の架電業務に加え、既存顧客を対象としたサポートの一環としてアウトバウンドに取り組むコールセンターが増えつつある。
フォローコールなどのリテンションを目的としたアウトバウンドは、あらゆる製品やサービスが市場飽和を迎え新規顧客の獲得が難しくなるなかで広まっていくと考えられる。
アウトバウンド業務を「テレマーケティング」「督促/フォローコール」の2フェーズに分類し、代表的なソリューションを紹介する。
図 アウトバウンドのタイプ
※画像をクリックして拡大できます
記事内で取り上げているベンダー(掲載順)
Widsley(ウィズリー)
楽天コミュニケーションズ
サイオンコミュニケーションズ
アトラス情報サービス
MITシステム研究所
コールセンター/CRM
デモ&コンファレンス 2017 in 東京
誌上レビュー
<総括・展示会>
AI、チャットボットの導入元年を彩る
最新ソリューション展示に1万人が集う
(PDF)
<基調講演>
「働きがい」「人工知能」
現場と経営を変える2大キーワード
(PDF)
<プライベートセミナー>
「顧客経験価値」最大化のカギを握る
オムニチャネルとナレッジ活用の実践
(PDF)
<特別セミナー>
「2018年問題」で変わる派遣活用
問われる“人を育てるための協業モデル”
(PDF)
<実践研修講座>
最新トレンドと実践的知識を身に付ける!
AI、ナレッジマネジメントなどに300名超が参加
(PDF)
<5年後のコンタクトセンター研究会>
大阪・心斎橋の徒歩圏内にある通勤に便利なオフィス
ユニクエスト・オンライン
有給休暇100%消化!
信条は「稼いで休む」
「明日、お通夜ができる葬儀場はありますか?」
パッケージ型葬儀を提案するユニクエスト・オンラインのコールセンターには、深夜に突然、上記のような問い合わせが入ることが少なくない。
顧客は、身内の訃報を受けてすぐ、「葬儀 値段」などのキーワードで検索しWebサイト「小さなお葬式」を見つけ、同社に電話をかけるというケースがほとんどだ。葬儀に関する具体的なイメージがまだつかめない状態の顧客に対し、オペレータはできる限り要望を聞きだし、手軽さや明朗な価格による安心感を訴求しながら、最適な葬儀を提案する。
「弊社では受注を行うオペレータが、売り上げを生み出す“花形”。新人や営業を苦手とするオペレータは、葬儀社や寺院を手配するサポート業務で経験を積みながら受注業務を目指しています」(八田知巳取締役兼営業部長)
問い合わせを受注につなげる「粘り」や「提案力」が同社のオペレータには不可欠だ。店舗での対面接客や営業業務の経験者が比較的多く、インバウンドの他、検討中の顧客に対するアウトバウンドも積極的に行う。
ビジネスが堅調に伸びる一方、営業スキルの高い人材の確保が課題だ。オペレータを含む、社員の働きやすさや働き甲斐の追求には余念がない。
八田氏は、「しっかり働いてしっかり休む。有給休暇消化を推奨し、昨年の消化率は100%でした」と話す。
春はお花見、夏は納涼会、冬は忘年会と社員交流も盛んだ。社員旅行は全員が一度に参加することが難しいため、本年度は6月に四国、9月に熱海と2回実施。親交を深めるため、片道7時間のバス旅行にこだわっている。
ミニ打ち合わせは執務スペースのソファ席で行う
キッチン付きのオシャレな休憩室。忘年会などで社員が手料理をふるまう
パレートの法則でAIをはじめよう
ISラボ 代表 渡部弘毅
豪雪日や台風といった交通機関が乱れるときや、桜満開の晴れた平日には、「サラリーマン辞めて良かった!」と思う、わたちゃんです。最近では、朝のNHK連続ドラマを見るときに実感しています。
パレートの法則とは、20対80の法則とも言われ、構成要素を大きい順に並べたとき、「上位20%の要素で全体の80%程度を占めることが多い」という経験則です。ビジネスの現場でよく使われる事例としては、「上位20%の顧客が売り上げの80%を占める」「故障原因の上位20%で80%の故障を説明できる」というようなものがあります。ヘルプデスク系のコールセンターの現場では、「問い合わせカテゴリの上位20%が全体の問い合わせの80%を占める」ということになります。つまり、問い合わせ上位20%のFAQを十分に整備することが問題解決に大きく影響するのです。
昨今、コールセンターではAIが注目され、魔法の薬のようにどのような問い合わせにも的確に回答を出してオペレータを助けたり、チャットボットなどで顧客の要望に完全に自動で対応する、という過剰な期待が持たれています。そうした情報に振り回されるのではなく、まずはパレートの法則に基づいて、20%の問い合わせカテゴリのFAQをしっかり構築することが大切です。具体的には、自然言語処理技術などを活用して、顧客の質問に適確な答えを迅速に提供することです。これによって問い合わせ件数全体の80%の対応を、効率よく、高品質なものにできます。こうした企業が高い顧客満足度を得られているようです。
また、「難易度が高い20%の問い合わせにオペレータ対応を集中させる」という方法もとても重要な考え方です。「オペレータがわからないような難易度の高い20%の問い合わせに最適な回答を導いてくれるのがAIでしょう?」という意見もありますが、そのためには数多くの事例を蓄積したデータをディープラーニングで学習させることが必須です。AIを育てる教師役として人手が不可欠なのです。これには時間を要し、すぐにはそうした領域に到達できないことを知っておかなければなりません。
FAQを整備しないまま、「AIを導入すれば勝手に自己学習して、高度な質問にも回答してくれる」と思い込むケースが最も失敗しやすいのです。パレートの法則に基づいた着実なAI導入が重要です。
ということで、わが仕事人生にもパレートの法則「サラリーマンの仕事全体の時間の20%で仕事の成果の80%を占めている」を適用します。サラリーマンを辞めてフリーになった今は、無駄な会議や仕事をしない代わりにサラリーマンの頃の20%の仕事量でサラリーマンの頃の収入の80%を得られるという解釈です。早速家に帰って家族に「おとーさんは、これからはパレートの法則で生きるのだ!」と言ったところ、「グータラおやじの怠ける言い訳でしょ。真面目に働きなさい!」と一蹴されました。
図 パレートの法則でAI適用
特 集 Special edition
IT市場から見る
「AIコールセンター」の近未来
Part.1 <市場トレンド>
顧客対応から人材配置、採用・教育まで
現状と課題から探る“8つの適用範囲”
<ケーススタディ> SMBC日興証券/freee
Part.2 <ソリューションの考察>
事例が急増する「チャットボット」
“育成”から支援するベンダー各社の戦略
特別企画 Special Contents
コールセンター/CRM
デモ&コンファレンス
2017 in 東京 誌上レビュー
総括・展示会/基調講演/プライベートセミナー/特別セミナー/実践研修講座/5年後のコンタクトセンター研究会
戦略を学ぶ Strategy
< インタビュー >
ディノス・セシール
CECO(Chief e-Commerce Officer)
EC本部EC企画部ゼネラルマネージャー
石川 森生 氏
「単なるEC化」は企業価値を損ねる?!
カタログの強みを活かすオムニチャネル戦略
< CS戦略 >
Rakuten Direct
「人とAI」が織りなす“経営貢献”のカタチ
トレンドをつかむ Trend
< FOCUS-Callcenter >
シニアが“活躍する環境”の作り方
ポイントは本人ではなく「SVの育成」
< FOCUS-Callcenter >
「サポート専門職」の声から課題を探る
進化の余地大きいセルフサービス機能
──HDI-Japan
< 企業アプリ最前線 >
ナノ・ユニバース
「nano universe」
< NEWS DIGEST/掲示板 >
レオパレス21/オウケイウェイヴ/メンバーズ/セールスフォース・ドットコム/ハンモック/コミュニケーションビジネスアヴェニュー/OKI/富士通/バーチャレクス・コンサルティング/トレジャーデータ/キューアンドエーグループ/凸版印刷/ベルシステム24/コールセンタージャパン編集部
現場を知る Site
< 事例研究 >
オリックス生命保険
400席の品質を支える20名の精鋭部隊
専任チームがもたらす「高次元の平準化」
< カイゼンの軌跡 >
ポッカサッポロフード&ビバレッジ
お客様相談室を“経営拠点化”する
VOC活用「3つの要諦」
< サービスのプロに聞く >
ヘアサロン『assolato』
オーナー兼美容師
松井 久典 氏
チャンスを運んでくれるのは
“楽しんでもらいたい”という心
< センター探訪 >
ユニクエスト・オンライン
有給休暇100%消化!
信条は「稼いで休む」
ITを知る Information Technology
< ソリューション&サービス >
アウトバウンドソリューション
チャネル連携、顧客分析支援──
「ロイヤル顧客を創る」アウトバウンド業務
< ITの選び方&使い方 >
住友林業情報システム
自己解決をあきらめさせない
「誰でも使えるFAQ」の構築・運用ポイント
< IT企業に聞く! >
コラボス
声のデータを活かすプラットフォームを提供
コールセンターの経営貢献を支援する
< キーパーソン >
米ジェネシス
PureCloud事業部門
エグゼクティブバイスプレジデント
オリビエ・ジューブ 氏
目指すは「消費者の変化を捉えるIT」
エコシステム強化でシェア拡大図る
< New Products >
NEC/Hmcomm/日立情報通信エンジニアリング
データを捉える Data
< DATA FILE by HDI-Japan >
問い合わせ窓口格付け調査
──生命保険業界
< DATA FILE/今月の就業データ >
就業形態/エリア(集積地)別
有効求人倍率推移(2017年10月)
連 載 Serialization
< 基礎 >
新任マネージャーのための
コールセンター運営の基礎知識:第6回
五月女 尚
チャットボット「はじめの一歩」:第5回(最終回)
長谷佳明
< 実践 >
ナレッジを作る! 育てる!!
『組織的サポート力』強化の極意:第3回
早見拓也
< コラム >
市界良好:第69回
秋山紀郎
AfterCall〜電話の後で:第69回
長掛文子
3 Minutes Lesson
毎日できるメンタル・ケア:第50回
奥 富美子
わたちゃんのかすたま〜えくすぺりえんす:第35回
渡部弘毅
< マンガ >
督促オペレータ奮闘記(60)
榎本まみ