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[ビジネス戦略] CHORDSHIP / 富士通

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CHORDSHIP

富士通
 
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対象ユーザー全ての業種・業態に対応
対象規模企業規模、業種問わず
製品形態SaaS型クラウドサービス
価格情報28万円 / 月~
製品概要対話による絞り込みと、機械学習を組み合わせたハイブリッド型AIエンジンによるチャットボットソリューション。少量の教師データでも高精度の自動回答を実現するため、さまざまな業種・規模のコールセンターでの運用に最適。機械学習により自動生成できる辞書と、トークスクリプト、FAQ、類義語辞書の3つのチューニングポイントでAIの成長を支援する。情報システム部門だけでなく、業務部門での運用を想定している。また、富士通グループの総合力を活かし、有人チャットサービスとの組み合わせや、チャットボット専用のアバターも提供可能。ナレッジの整備から学習、検証、テスト、リリースまで、トータルで導入を支援する。
 

ディープラーニングだけがAIではない!
コールセンター活用の課題に“富士通流”の回答

CHORDSHIP

富士通

 AIチャットボットの導入企業が増えてきた。背景には深刻化する採用難・人材不足があり、「少しでも呼量を減らして接続品質を維持したい」という喫緊の課題にマッチしたソリューションといえる。
 しかし、まだ課題も多い。その最たるものが「正答率」で、日本語ならではの多様な表現に対応できない、あるいは専門用語に対応できないなどの事情で正答率が50%に満たないサービスもある。
 富士通は、新ブランド「CHORDSHIP」を昨年から展開開始。“エンゲージメント”をキーワードに、まずはチャットボット向けソリューションをリリースした。

チャットボットに適していない?!
ディープラーニングの活用

 最大の特徴は、「少ない教師データでも精度の高いサービス」を提供できること。

 AI活用は、膨大な教師データによる教育が大前提となる。ブームのきっかけとなったGoogleの「AlphaGo(アルファ碁)」も、大量の棋譜データをAIに“食わせる”ことで人間の実力を凌駕した。Facebook等で馴染み深い画像認識機能も同様で、もちろんチャットボットも例外ではない。

 チャットボットの教師データには、FAQや業務マニュアル、Webサイトのコンテンツなどのデータと、顧客データベースに登録されているVOC(Voice of Customer:顧客の声)を活用することになる。実は、ここに大きな課題が潜んでいる。最大かつ最良の教師データとされるFAQだが、そもそもAIに取り込んで即、応対ができるほどのボリュームを持っているセンターは少数派だ。仮に持っていたとしても、顧客の入力情報をもとに最適回答までナビゲートできる「会話のデザイン設計」が即座に可能なほど高品質なFAQは少ない。業務マニュアルに至っては、紙ベースのセンターも未だ多く、データ化されているとしてもPDFレベルがほとんどだ。これを活用できるレベルにテキストデータ化するだけでも、膨大な工数を必要とする。

 VOCは、後処理時間の短縮を図るために入力を簡素化しているセンターが多く、「顧客の声」が「オペレータの声」に変換されている。結果、顧客の表現との差異が大きく、言葉の揺らぎを吸収できる良質なデータにはなり得ない。

 多くのソリューションベンダーがAIブームをけん引した「ディープラーニング技術」の採用を訴求しているが、富士通の今田和雄執行役員は、「将来的にはともかく、教師データが充実してるとはいえない現状では、コールセンターでのAI活用ににディープラーニングは適していない」と断言する。

 CHORDSHIPは、「対話・機械学習ハイブリッドAI」と銘打ち、ルールベースによる絞り込みと機械学習を組み合わせた仕組みを採用している。「ルールベース型は融通が効かず、AIの特徴が活かせない」という指摘もあるが、富士通コミュニケーションサービスをはじめ、グループ内にテレマーケティング会社を抱えており、各社から得た「さまざまな業種の対話メソッドを加味することができる」(今田氏)ことも大きな強みだ。もちろん、チャットボットからのエスカレーション部署として、これらのリソースを活かす業務委託も可能だ。

 また、標準で1000万語を超える類義語辞書を搭載しているうえ、機械学習でスキルアップも期待できる。すでに数社の事例が稼働、早くもその効果を体現しつつある。

AIチャットボットの機能例──「CHORDSHIP」

AIチャットボットの機能例──「CHORDSHIP」

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顧客接点の高度化を支えるチャットボット「CHORDSHIP」は、「チャット機能」「BOT機能」「業務アプリ機能」で構成され、SaaSとして提供される。外部システムやアプリなどは、全てAPI経由で連携することで拡張性を考慮している

<ケーススタディ>
エンタメからサポートまで幅広い可能性

 現在、公表されている代表的な事例がサッカー、Jリーグの川崎フロンターレと家事代行サービス「タスカジ」だ。

 フロンターレは、スマホアプリ上に「ふろん太と話そう」というコンテンツを用意。マスコットキャラクターである「ふろん太」とチャットボットで会話できるサービスだ。回答の基盤となる知識データベースには、あいさつ、公式ホームページをはじめとしたFAQ、フロンターレやサッカー全般に関する知識に加え、設定されたふろん太くんのキャラクターが登録されている。

 登場当初は、質問に対しても「今、一生懸命お勉強頑張ってるから、いろんな質問をしてね」と回答できないことも多かったが、今は選手の名前やスポンサー名に反応するなど、かなりナレッジが蓄積されていることがわかる。例えば、看板選手のベテラン、中村憲剛選手の名前を入力すると「おじさん」とユーモラスな回答をしてくれる。

 また、ふろん太くんのアバターは動きがあり、スクリーンショットの撮り方によっては目が細くなるなど、微妙に変化する。こうした細かい表現の違いがTwitterで拡散され、さらに利用者が増え、回答精度が向上するという好循環が発生しているようだ。

 また、「チケットの買い方」なども回答してくれるので、エンタテイメントだけでなくサポート目的でも活用できる可能性を発揮しつつある。「よくある質問」へのナビゲート役としてキャラクターを活用する好事例といえそうだ。

公式アプリのトップページに設置されている「ふろん太と話そう」

チームの看板選手、ベテランの「中村憲剛」と入力すると、「おじさん」と回答

チケットの買い方も案内してくれる

公式アプリのトップページに設置されている「ふろん太と話そう」(画面左)。チームの看板選手、ベテランの「中村憲剛」と入力すると、「おじさん」と回答(画面中)。チケットの買い方も案内してくれる(画面右)。2018年2月現在は、チームのスポンサーであるロッテの商品を持っている

エプロン

和田 幸子 氏

タスカジ 代表取締役
和田 幸子 氏

 一方、タスカジは、サイト上に「タスカッポーギ」というアバターが登場し、さまざまな疑問に回答してくれる。

 同社の和田幸子社長は、「1カ月という短期間で立ち上げできること、少量のFAQでも本格稼働できる点を評価しました。タスカジさんの利用者の多くは、インターネットをうまく使える方々で、簡単な問い合わせに電話を使ったり、メールの返答を待ったりすることへの抵抗感が強いはずです。的確かつ迅速な自己解決がロイヤルティ向上につながると確信しています」と採用理由を説明。なお、検索傾向は、分析データとして自動的に可視化されるので、不足しているFAQを追加してしたり、サービスを改善するヒントとしても活用している。

Interview

今田 和雄 氏

AI最大の課題、“不足する教師データ”に
「CHORDSHIP」で回答を提示

今田 和雄
富士通 執行役員 グローバルサービスインテグレーション部門
デジタルフロントビジネスグループ 副グループ長

コールセンターにおけるAIチャットボット活用は、プロセス、成果ともにまだ課題が多く残されている。富士通は、その回答のひとつとして新しいソリューション「CHORDSHIP」を開発。すでに数社に導入され、成果も出しつつある。CHORDSHIPの陣頭指揮を執る執行役員の今田和雄氏は、「企業と顧客の新しいコミュニケーション・チャネルによって、“絆作り”を支援する」と意気込む。

──チャットボットが流行しつつある背景をどう捉えていますか。

今田 消費者のコミュニケーション手段が変わってきています。とくに若い方は、「電話すること」という行為そのものが障壁。企業にとっては、「もしもし、はいはい」のルールを知らない世代との接点が必要なことが、認識されつつあるということではないでしょうか。

──さまざまなベンダーがソリューションを開発し、ユーザー企業も増えていますが、課題も多いようです。

今田 チャットボットの運用には、精度の高いナレッジデータが大量に必要とされています。しかし、コールセンターの現場は忙しすぎて、ナレッジを精査することが難しいのが現状です。VOC(顧客の声)を記録している企業は多くても、ほとんどは表現が「オペレータの方の声」に書き換えられています。それをAIに取り込んでも、いざ顧客が使ってみると正しい回答に導くことができないことが多いのです。そこで、「最小限のデータで正解を出すAI」を実現すべく開発したのが、「CHORDSHIP」です。

 チャットボット構築で大きな課題とされている対話のデザインは、ルールベースで絞り込むことでさほど多くのFAQデータがなくても回答に導くフローを構築します。言葉のゆらぎは、あらかじめ用意している同義語・類義語辞書を機械学習で強化することで高い正答率を実現できることがテストで実証されています。

──電話主体のコールセンターでよかった時代と比べると、ITベンダーにとっては導入だけでなくAIの教育など、メンテナンスやフォローアップにも相当の手間を要する時代に見えます。

今田 従来のRFPありきのビジネスではなく、クライアントの皆様と“共創”する時代に入ったと感じます。AIチャットボットは、その典型的なソリューションといえるでしょう。結果的に、ITの提案は、従来の情報システム部門に対してだけでなく、現場、経営、企画部門の皆様に対しても必要で、従来とは違った組織形態が求められています。デジタルフロントビジネスグループでは、SE、ミドルウエア技術者、営業で組織したデジタルイノベーター部隊を作りました。これは、テーマ発見、絞り込みからアイデア出し、サービス実装までを短期間で実現するプロフェッショナル部門です。CHORDSHIPの開発や実装も彼らが中心に行っています。

──CHORDSHIPの今後の強化方針は。

今田 機能面では、なるべく早い段階で音声認識を実装したいと思っています。さらに、アナリティクス機能の強化は、すでに一部のクライアント様の協力を得て、ダッシュボード表示を試行中です。また、多言語対応も予定しています。

 CHORDSHIPは、単なるチャットボットではなく、カスタマーエンゲージメントのプラットフォームとして育てる方針です。具体的にはAPIを公開してエコシステム化を促進し、自社だけではなくパートナーを含めて技術のインテグレーションで新たな価値を共創していきたいと考えています。

お問い合わせ先

富士通株式会社
デジタルフロント事業本部
カスタマエンゲージメントソリューション室
TEL:03-6810-2501
<CHORDSHIPサイト>
URL:http://www.fujitsu.com/jp/services/knowledge-integration/chordship/

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