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“声の表情”を聴き取ろう

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「一歩踏み込んだ質問をする」インタビュースキルは、顕在化している要望だけでなく、まだ顧客自身も気づいていない潜在的な要望を引き出す

インタビューを成功させるポイントは、言葉の裏にある顧客の意識(要望、心情、状況、事情など)を、顧客の“声の表情”から聴き取ることだ。

たとえば、旅行会社のコールセンターで、家族旅行の相談を受けた時、「両親が一緒なの」という言葉に、声のトーンや語尾、言い方から、そこに掘り下げるべき顧客の意識を読み取る。

明るい声の場合は、「ご両親も楽しみになさっているのではないですか? 」「親孝行ですね? 」などの質問をすることで、「せっかくなので両親と一緒に食事をしたい」という気持ちを聴きだして、「夕日を見ながらサンセット・ディナー・クルーズをご一緒されるのはいかがですか」などの提案ができる

逆に、沈んだ声ならば「失礼ですがご両親のお年を伺ってもよろしいですか? 」と質問することで、「82才なので疲れないかと心配なの」「私ではなく主人の両親なの! 」と不安や少し重い気持ちを引き出せる。

すると、もう一歩踏み込んで、「ご両親がハワイで行ってみたい所や、やってみたいことなど聴いていらっしゃいますか? 」と堀り下げ、高齢者でも楽しめるオプショナルツアーやフラダンス教室の高齢者クラスを案内するなど、不安を取り除く手伝いができるのだ。

質問で要望や状況を確認したうえで行う提案は、顧客が「私のための提案」と受け止めて満足度が高くなる。

だからこそ、「両親が一緒なの」という言葉に対し、「かしこまりました、ご両親とご主人、〇〇様の4名様のご予約ですね」とスルーして欲しくはない。

著者:窪田尚子

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