「ITの専門家以外」が使えるAI
その懸念点と適用領域・③
2023年8月31日
ChatGPTをはじめとした生成AI(Generative AI)の登場がもたらす変化をどう受け入れるのか。AI活用は、競争力の源泉だ。「時流に乗らない」ことのリスクは大きい。事業部門にありがちな「自分たちはITの専門家ではない」という姿勢では、市場から取り残される。本稿では、事業開発を生業とする筆者が、生成AIの概要、コールセンターでの適用領域の見極め方を解説する。
Profile
AI Booster
代表取締役
小栗 伸
NTTドコモにて、ドコモショップ2300店舗に導入した「AI電話サービス」をはじめ12のAIプロジェクトを製品化・事業化。NTT DegitalでWeb3事業創出に取り組む傍ら、AI Boosterを設立し生成AIを活用したソリューション提供、導入支援に携わる。
コールセンターでの生成AI活用
コールセンター業務においては、自動応答など既にAI活用が進んでいるが、生成AIにより、その適用範囲はさらに拡大される可能性を秘めている(図)。フロント業務では、チャットボット、ボイスボットなどの自動応答。オペレータ支援業務では、電話・チャットでの対話内容の要約、マニュアルやFAQなどの社内ナレッジ検索、オペレーターの育成などがあげられる。そしてバックオフィスにおけるコンテンツ作成、メール本文作成、VOC分析などがある。
図 コールセンター業務における生成AIの活用例
これらは一例であり、今後、生成AIを活用したさまざまなサービスの提供が予想される。活用を推進するうえでのポイントが、実際に業務に携わる方が、自身で課題を発見し、生成AIの適用を考え、実行していくことだ。AIに精通した人材を確保すれば、活用が進むというものでは決してない。
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