座談会
拠点回帰の最重要ポイントは
「出社したくなる環境と制度」の構築
コロナ禍の3年間、企業は感染対策だけでなく従業員のメンタルヘルスにも注力している。もともとストレスフルとされるコールセンターはどうあるべきか。インハウスとBPOベンダー2社の取り組みとともに、心理学の観点から企業のヘルスケアを研究する関屋氏に聞いた。
今回の座談会で主題となったのが、「コロナ禍でのメンタルヘルスケア」。東京大学大学院医学系研究科 デジタルメンタルヘルス講座 特任研究員の関屋裕希氏は、「以前は『不調の早期発見・対応』や『職場復帰支援・再発防止』といったリスクマネジメントの順守が焦点となっていましたが、ここ数年は心身不調を未然に防ぐための働きやすさの改善など、発見や支援、再発の防止から『予防』にシフトしつつあります」と、近年のリスクマネジメントの変化について言及。働き方の変化やリモートワーク勤務時に生じるストレスや、職場のサポート体制についてどうすべきかについても説明した。
三井ダイレクト損害保険では、毎年7月に全社員を対象としたストレスチェックを実施、スコアによっては健康管理センターと個別面談の機会を設けているほか、産業医や看護師と相談できる体制を整備している。
多言語コンタクトセンターを運営するランゲージワンでも、親会社のキューアンドエーが健康管理センターを設立し、健康管理体制を強化している。同社ではスタッフだけでなく、マネジメント層にもメンタルヘルスケアについての理解を深めるために、座談会や研究を実施するなど、不調の予防にも力を入れている。
出席者(順不同)
関屋 裕希 氏
東京大学大学院医学系研究科
デジタルメンタルヘルス講座 特任研究員
本田 良 氏
三井ダイレクト損害保険
お客さまセンター部 東京マネージャー
小林 真吾 氏
ランゲージワン
オペレーション部 統括マネージャー