待ち行列(キュー)が発生しないセンターは存在しない。
この「待ち時間」に対する工夫はCS(顧客満足)を大きく左右する。
人材配置の最適化をはじめとした「待たせない工夫」とキュー発生時のテクニックを解説する。
◆最大の不満は「待ち時間が長い」
コールセンター利用者1200名へのアンケートをみると、「不満を感じた最大の理由」は、62.9%の回答者が「待ち時間が長い」だ。
待ち時間が長くなる原因はセンターの業種・業態や環境によって大きく異なる。だが、共通して待ち時間の削減に直結する取り組みは“リソースの最適化”だ。
◆テクニック①ワークフォース・マネジメント
ワークフォースマネジメントの手順とポイントは以下の通り。
ポイントは、呼量予測の精度向上、目標サービスレベルの設定と達成度の検証、AHT(平均対応時間)の把握で、これを1日や週、月の平均ではなく、「時間」単位で検証することだ。
◆テクニック②IVRの見直し
アンケート調査では8割以上が「利用したことがある」と回答し、半数近くの回答者が「あまり使いたくない」「絶対に使いたくない、もしくは使わない」を選択している。
その理由として最も多かったのが「音声メニューを聞くのに時間がかかる」だ。
こうした不満を、オペレータのマルチスキル化などによって、分岐の数を減らしたり、長引いている最大の原因である「選択ミス」を減らすため、案内の文言を変更するといった工夫で削減した事例もある。
◆テクニック③コールバック予約
いつつながるかわからないまま待ち続けるストレスを低減すべく「コールバック予約システム」を採用する企業が増えている。
主に、IVRで誘導したり、Webサイトから予約する方法がある他、SMS(ショートメッセージングサービス)を活用する企業もある。
企業にとってプライオリティの低い用件や、緊急度の低い用件に積極的に活用するという考え方もある。
コールバック予約の活用は、コールリーズンごとのCSや対応プロセス(カスタマージャーニー)の把握が前提条件といえそうだ。
◆テクニック④ガイダンスのカイゼン
いかに“苦痛を感じさせずに待ってもらうか”は、顧客が企業に抱く印象に直結する。
IVRで洋楽を流したり、ガイダンスの表現を変えるといった工夫を行う企業もある。
Webサイトへの誘導やコールバックシステムなど別の選択肢をわかりやすく提示することで「自分で選択できる状況」を提供することも有効だ。
“ゆっくり丁寧”といった抑揚に工夫することでもストレスは緩和できる。
◆顧客層に合わせて決める
主な顧客の性別や年齢層、嗜好によっても取るべき手法は変わってくる。
自社のセンターに問い合わせをしてくる顧客層の特質を見極め、最適な“待たせない工夫”“待たせる工夫”をすることが、CS向上や顧客リテンションには不可欠だ。
(月刊コールセンタージャパン 2016年9月号 特集)
この「待ち時間」に対する工夫はCS(顧客満足)を大きく左右する。
人材配置の最適化をはじめとした「待たせない工夫」とキュー発生時のテクニックを解説する。
◆最大の不満は「待ち時間が長い」
コールセンター利用者1200名へのアンケートをみると、「不満を感じた最大の理由」は、62.9%の回答者が「待ち時間が長い」だ。
待ち時間が長くなる原因はセンターの業種・業態や環境によって大きく異なる。だが、共通して待ち時間の削減に直結する取り組みは“リソースの最適化”だ。
◆テクニック①ワークフォース・マネジメント
ワークフォースマネジメントの手順とポイントは以下の通り。
ポイントは、呼量予測の精度向上、目標サービスレベルの設定と達成度の検証、AHT(平均対応時間)の把握で、これを1日や週、月の平均ではなく、「時間」単位で検証することだ。
◆テクニック②IVRの見直し
アンケート調査では8割以上が「利用したことがある」と回答し、半数近くの回答者が「あまり使いたくない」「絶対に使いたくない、もしくは使わない」を選択している。
その理由として最も多かったのが「音声メニューを聞くのに時間がかかる」だ。
こうした不満を、オペレータのマルチスキル化などによって、分岐の数を減らしたり、長引いている最大の原因である「選択ミス」を減らすため、案内の文言を変更するといった工夫で削減した事例もある。
◆テクニック③コールバック予約
いつつながるかわからないまま待ち続けるストレスを低減すべく「コールバック予約システム」を採用する企業が増えている。
主に、IVRで誘導したり、Webサイトから予約する方法がある他、SMS(ショートメッセージングサービス)を活用する企業もある。
企業にとってプライオリティの低い用件や、緊急度の低い用件に積極的に活用するという考え方もある。
コールバック予約の活用は、コールリーズンごとのCSや対応プロセス(カスタマージャーニー)の把握が前提条件といえそうだ。
◆テクニック④ガイダンスのカイゼン
いかに“苦痛を感じさせずに待ってもらうか”は、顧客が企業に抱く印象に直結する。
IVRで洋楽を流したり、ガイダンスの表現を変えるといった工夫を行う企業もある。
Webサイトへの誘導やコールバックシステムなど別の選択肢をわかりやすく提示することで「自分で選択できる状況」を提供することも有効だ。
“ゆっくり丁寧”といった抑揚に工夫することでもストレスは緩和できる。
◆顧客層に合わせて決める
主な顧客の性別や年齢層、嗜好によっても取るべき手法は変わってくる。
自社のセンターに問い合わせをしてくる顧客層の特質を見極め、最適な“待たせない工夫”“待たせる工夫”をすることが、CS向上や顧客リテンションには不可欠だ。
(月刊コールセンタージャパン 2016年9月号 特集)