<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。
キリンホールディングス
チャットボットで顧客接点を拡大
「電話するほどではない」VOCを収集
キリンホールディングスのお客様相談室は、自社担当窓口に加え、同社子会社のキリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンを合わせた計4社の担当相談室を集約。現在は、50席前後の問い合わせ窓口として稼働している。主なコールリーズンは、CMなどのマーケティング活動への質問の他、商品に含まれる原材料・栄養成分など安全性に関する質問など幅広い。
従来、相談窓口のチャネルは電話とメールのみで、なおかつ受付時間が土日・祝日を除いた平日に限られ、現在はコロナ禍のため時間を10時から16時に短縮している。そこで、Web上での顧客サポートの充実を検討。VOC収集の広範化に向け、24時間365日応対可能なAIチャットボットの導入に着手した。
今月のPOINTS!
■システム概要
キリンホールディングスは、チャットボットという新たな顧客接点を構築。“わざわざ電話をかけてこない顧客“のVOCを収集するため、サイシードが提供するAIチャットボット「sAI Chat」を導入した。こだわったポイントは「顧客に寄り添うシナリオ設計」で、自己解決をサポートするとともにエンゲージメント強化も図っている。
■選び方のポイント
コストや使いやすさに加え、自社運用できる点を条件に検討。sAI Chatは、サイト内チャットボット導入に関する運用経験が豊富で、なおかつ担当者からのアフターフォローが充実している点が導入の決め手となった。
■使い方のポイント
シナリオ形式・検索形式の双方を採用。回答は既存のFAQを活用している。導入当初は、利用履歴をもとに、ゼロ件ヒットの数を減らすなどのメンテナンスによって解決率が向上。しかし、「FAQが多すぎるため」に解決率が低下したため、チャットボットが返答するFAQを4分の1に絞り込むことで改善した。
コーポレートコミュニケーション部 お客様相談室の渡辺珠江氏(左)、渡邉智子氏(右)
キリン公式サイト上のチャットボットの活用例