<コーナー解説>
店舗など、コールセンター以外を含めた接客やサービスのプロにその心構えやノウハウを聞きます。
売り上げを意識しない“再建請負人”
リピーターを増やす「おもてなし術」
AOKI
執行役員
秋葉原店 総店長
溝上 徳啓 さん
Profile
大学卒業後、新卒でAOKIに入社。都心部の数々の店舗の売り上げを向上させた実績を持つ。その功績が認められ、店長、エリアマネージャーに昇格。現在は執行役員を務めており、社内教育の分野を兼任しながら、AOKI秋葉原店にてプレイングマネージャーとして活躍している。社内表彰制度においては、2016年、2017年、2018年と優秀な経営実績を収めた際に贈られる「経営大賞」を受賞。2019年には優れた営業ノウハウの波及とメディア出演による企業価値向上の功績が認められ「年間最優秀賞」を受賞。
店舗の売り上げを決めるのは、立地や情勢などさまざまだ。しかしAOKIの秋葉原店で店長を務める溝上徳啓さんには、働いている“ヒト”が一番の要素だと思わせるパワーがある。売り上げが思わしくない数々の店舗で軌道修正を果たした溝上さんは、“再建請負人”の異名を持つ。
逆説的であるが、溝上さんは売り上げを目的とした接客は決して行わない。「私にとって、売り上げとはお客様満足度を図る指標でしかありません」と言い切る溝上さんは、これまで常に「また来たいと思ってもらえる店舗づくり」を一番の目的として信頼関係構築に励んできたという。
基本的に会話の導入でいきなり商品の話をしない。天気やコロナ状勢、仕事の様子など、共通の日常会話のなかで「何よりも相手をよく知ること」を意識している。自分から心を開いて興味を持てば、自然と距離が縮まるという。相手をよく知ってからが、“再建請負人”の腕の見せ所だ。
顧客の人柄や仕事の事情を踏まえた“顧客志向”のおもてなしの秘訣や、AOKI全社で水平展開された「1対3接客」のアイデアを生み出した経緯について溝上さんに詳しく聞いた。