ナレッジ管理の負荷を軽減
「Q&A自動作成ツール」の効果
FAQのメンテナンスに疲弊し管理を諦め、オペレータに“知識の詰め込み”を強いたり、“使えないセルフサービス”を放置するケースは少なくない。FAQの管理負荷を軽減すべく、三井情報やNTTマーケティングアクトは、Q&A自動作成サービスを提供。三井住友カードはシステムを自社開発している。
Web上のセルフサービスの強化やチャットボット運用に欠かせないQ&A(FAQ)。その精度を高める作業は、大きな手間と労力を必要とする。
AIの進化で、チャットボットを導入する企業の多くが「FAQの自動生成」を期待したが、「あくまでAIは人間が育てたFAQの提示を最適化するもの」で、その意味ではやや「期待外れ」の感は否めない。しかし、プロセスの一部を自動化できるサービスを提供するベンダーが登場した。三井情報が開発・提供する「MAIMAI Q&A生成サービス」は、通話録音データから、AIが必要なQ&Aを自動抽出する。NTTマーケティングアクトが提供する「Q&A Generator」も、AIを活用して、通話ログをベースにQ&Aを作成するサービスだ。
自社開発した事例もある。三井住友カードはこのほど、オペレータが応対中に参照するQ&Aシステムを、日本総合研究所、JSOL、Allganize Japanの3社と共同で開発。ベースとなる自然言語処理技術は、米Allganizeが開発したものだ。
いずれも、AIだけでQ&Aの作成、管理をすべて自動化できるソリューションではない。導入やメンテナンスに人手はかかっている。しかし、AIを活用することで、これまで実現できなかった、顧客の言い回しからベースとなるデータを自動生成したり、大量のQ&Aを効率的に管理するということが可能になっている。