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2021年7月号 <サービスのプロに聞く>

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川渕 まりの さん

<コーナー解説>
店舗など、コールセンター以外を含めた接客やサービスのプロにその心構えやノウハウを聞きます。

ホテルで培ったホスピタリティを武器に
「お役所仕事」のイメージを破壊する!

寝屋川市
市民サービス部 窓口担当
川渕 まりの さん

Profile

大学卒業後、外資系ホテルで5年間ドアパーソンを務め、接客業やおもてなしを学ぶ。営業事務員に転身するが、接客業への復帰を求め2020年4月、寝屋川市が始めた接客に長けた人材を窓口職員に起用する「接客のプロ」プロジェクトに応募。現在、総合案内や転入・転出、戸籍あるいは税などに関する手続きなどを担当している。

 “お役所仕事”と揶揄されるように、市役所などの公共機関には「おもてなし」を期待できないという風潮は根強い。大阪府寝屋川市は、そのイメージ改革に着手。その一環が、キャビンアテンダント(CA)やホテルマンなど接客に長けた人材を起用する「接客のプロ」プロジェクトだ。同プロジェクトによって採用された職員の1人が、総合案内などを担当する市民サービス部 窓口担当の川渕まりのさんである。

 川渕さんは、例えば転入届を出す外国人がいれば、見知らぬ土地に引っ越してくる心細さに寄り添い、笑顔で話しかけて緊張を解く。配偶者の死亡届を提出する女性が暗い顔をしていれば、今後、必要な手続きを一緒に再確認することで不安な気持ちを少しでも和らげ、各窓口に付き添う。「市民の方にとって市役所を訪れる機会とは、人生の節目のことが多いはず。意外と強く記憶に残るものです」──そう強調する川渕さんは、「1件ずつの対応を、“人生で一度の大切なご相談”として丁寧に寄り添うことを心掛けています」と笑顔を見せる。

 これらは、ホテル時代の経験を経て自ら決めた行動指針である「聞かれたことに答えるだけではなく、プラスアルファで何かを提供すること」に基づいている。「市役所自体にもっと良いイメージを持ってほしい。私たちが接客業で培ったホスピタリティで変えていきたい」と、イメージ改革に対する意欲を笑顔で語った。


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