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2021年6月号 <サービスのプロに聞く>

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山﨑 剛 さん

<コーナー解説>
店舗など、コールセンター以外を含めた接客やサービスのプロにその心構えやノウハウを聞きます。

その道を究めた一流の接客術に学ぶ
「思いやり」「気遣い」「感謝」が育む顧客体験

BAR GOYA
オーナー
山﨑 剛 さん

Profile

2003年から東京・新宿の「サントリーラウンジ昴・イーグル」で2年間、バーテンダーとして働いた後、名店とされる「STAR BAR GINZA」で店長や統括マネージャーを務める。2018年、銀座に「BAR GOYA」を開店。第46回全国技能競技大会やシェリー・カクテル・コンペティションなど、数々の大会で優勝。

 紳士・淑女とは、単にもてなされることで、そうなれるものではない。顧客自身が、品位ある振る舞いをしてこそ成り立つ。BAR GOYA オーナーの山﨑 剛さんは、「当店のお客様は、周りのお客様や店の状況を観察し、お互いを気遣ってお酒を楽しむ方が多いです」と語る。

 例えば、お店が混雑し始めると、いつも3杯オーダーする顧客が2杯で帰ろうとする。山﨑さんはそうした気遣いを見逃さない。「気を遣っていらっしゃるのでは。でも、もう1杯、いかがですか?」と声をかける。たとえ、「今日は混んできたから」と断られるのがわかっていても、それは忘れない。誰かが手洗いに行こうとするのを察知し、譲ってくれた顧客に対しては「申し訳ありません。空いたらすぐお伝えしますので、ゆっくりしていて下さい」と、笑顔を向ける。“あなたの紳士・淑女的行動に私は気付いています”と、しっかりと感謝を伝える。殺伐としている世の中で、粋な過ごし方ができるバーを成立させる、山﨑さんの秘訣だ。

 銀座を訪れる顧客層について、ここ数年で一気に多様化が進んだと山﨑さんは振り返る。「銀座のバーは高尚な話をしなくてはいけないところ、というイメージを払拭できる」とポジティブに捉えている。実際に、バーに慣れていない人も多く訪れるようになった。「ここでの一杯を最大限に楽しんでもらうため、お酒に詳しくないお客様にもお酒のことを知ってもらい、選択肢を増やしてあげることが必要」と山﨑さんは笑顔で接客の秘訣を語り始めた。


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