ロイヤルティの源泉を探る
1200人のコンタクトセンター体験
Part.1 <ロイヤルティ考察>
NPSと「応対前体験」「応対での体験」で判明した
“エフォートレス”強化の重要性
ISラボ代表 渡部 弘毅
コールセンターにおける体験は、顧客の企業に対するロイヤルティにどう作用しているのか。1200人の消費者を対象にした調査から、「カスタマーエクスペリエンス」を再検証する。Part.1では全業種を対象とした共通設問、Part.2では業種別に分析結果を考察。Part.3では、「世代による違い」に着目。とくに電話の活用頻度が低い「40代以下」のカスタマーエクスペリエンスを考察する。
コールセンタージャパンでは毎年、「過去1年以内にコールセンターに電話をかけたことのある消費者」、1200名にアンケート調査を行っている。
今年は、2020年6月中旬にインターネット・リサーチ大手のクロス・マーケテイングのモニター会員を対象に実施。通信販売、携帯電話会社、銀行、生命保険/損害保険、メーカーのお客様相談室の5業種のコールセンター利用者をそれぞれ抽出。利用した際の不満点、つながりやすさ、利用した会社のおすすめ度(NPS:ネット・プロモーター・スコア。米ベイン&カンパニーとフレッド・ライクヘルド氏が開発、提唱しているロイヤルティ指標)などを聞いた。
今年の調査では、「コールセンターにおける体験がもたらすロイヤルティへの影響度」に着目。編集部主宰の「5年後のコンタクトセンター研究会/ストラテジー分科会」の協力を得て、センターに電話するまでの手間(カスタマーエフォート)や、センターでの対応の事前期待との比較などについて設問を追加。同分科会のリーダーであり、企業のカスタマーエクスペリエンスに関する分析およびコンサルティングを行っているISラボの渡部弘毅氏が解説する。
図 アンケート設計鳥瞰
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Part.2 <業種別データ検証>
親切・丁寧・解決では満足しない!?
問われるコールセンターの「存在価値」
コールセンターでは、業種を問わず、「オペレータの対応品質向上こそが顧客満足をもたらす」という考えに基づいた施策が実施されている。しかし、本調査では、「オペレータの対応満足度にも、“電話前の体験”が大きく影響する」ことが明らかとなった。Part.2では、業種ごとに満足を左右する要因を抽出、検証する。
オペレータによるヒューマンタッチな対応よりも、「電話をかける前のプロセスにおける利便性」の方がロイヤルティへのインパクトは大きい──コールセンターの従事者にとっては、衝撃度の高い結果が出た本年度の「利用者調査」。業種ごとに見ると若干のバラつきはあるものの全体の傾向は変わらない。
I. 通信販売
カイゼンの余地が大きい!?
Webサイトやカタログの使い勝手
II. 携帯電話
「架電前」の体験が左右する
電話対応への評価
III. 銀行
多様なコールリーズン、困難な自動化
オペレータの「共感力」「柔軟性」に課題
IV. 生命保険/損害保険
利用率高い「メール窓口」
“フォーム”の作り込みがポイント
V. お客様相談室(メーカー)
電話番号はネットで探す!
「わかりやすい場所」への記載が必須
Part.3 <年齢別分析>
電話はおろか「メール」もしたくない?!
若年層に最適なサポート手段の考察
TwitterやInstagramなどのソーシャルメディア、チャットやLINEなどのメッセンジャーの普及による、「若い世代の電話離れ」が指摘されて久しい。「コールセンターに電話をした経験のある消費者」を対象にした本調査でその実態を検証する。さらに「電話をかけない層」へのアプローチとしてTwitter窓口の有効性や、その持続可能な運用方法を各社の事例から探る。
本調査では、40代以下の問い合わせはHPよりLINE・チャットが多いことが明らかになった。
Part.3では、「電話をかけない層」へのアプローチとしてTwitter窓口の有効性や、持続可能な運用方法を各社の事例を検証。「アクティブサポート」だけではない、いわゆる「パッシブ」を交えた問い合わせ窓口として運用したり、営業促進による持続可能なサポート体制、つまり「カスタマーサクセス」の手段として運用している企業もある。その事例を検証し、最適な運用形態を探る。
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