<コーナー解説>
店舗など、コールセンター以外を含めた接客やサービスのプロにその心構えやノウハウを聞きます。
「顧客の目的」に正しい知識で寄り添う
常連を増やす“自信”の演出
フラワーデコ
原田 千紘 さん
Profile
2010年からホテルのブライダルフローリストを経験し、2014年に白楽花園に入社、「フラワーデコ」に務める。2017年、第22回SC接客ロールプレイングコンテスト全国大会で大賞・SC接客日本一及び経済産業大臣賞。
東京を代表する観光地、スカイツリーを擁する「ソラマチ」。高級レストランや展望台は、プロポーズや愛の告白の定番スポットでもある。ソラマチの一角に店を構えるフラワーショップ「フラワーデコ」の原田千紘さんは、「適齢期の男性が薔薇を見ていたら、ほぼプロポーズする方です」と語り始めた。緊張している顧客にも、「当店で花束を用意する男性はたくさんいます。何度も作っているのでお任せください」と自信を持って語りかけることで、安心して相談してくれるようになるという。
ときにはお見舞いや献花など、マナーなど専門知識が問われる接客もある。「お客様が知らず知らずのうちに、失礼になってしまうことは絶対に避けたい」と語る原田さんは、「相手によっては選んではいけない花もあります。必ず関係性を確認します」という。例えば、献花は本人の父親なのか友人の父親なのかで選ぶべき花が違う。よほどその選択が良いという事情があるとき以外は、代替案を強く勧める。
顧客の繊細な気持ちや事情に寄り添いつつも、その場の空気に流されず、本当に相手のことを考えたアドバイス。原田さんに会うために多くの常連が今日も店を訪れる、その最大の理由と言えるだろう。