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2019年9月号 <ソリューション&サービス>

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ソリューション & サービス

<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。

要約ソリューション

後処理短縮からVOC分析まで
全通話テキストの有効活用を支援

音声認識技術が普及し、コールセンターでの全通話テキスト化に取り組む企業が増えている。一方、これにあわせて膨大なテキストデータをどう扱うのかという課題も生まれている。顧客とオペレータの対話内容を上手く取りまとめ、二次・三次利用できることが重要だ。その機能を提供するのが要約ソリューションだ。

 AI技術の進展やクラウドサービスの発達により、音声認識技術をコールセンターに取り入れることが比較的容易になった。導入企業も増えており、全通話テキスト化への取り組みも進んでいる。こうした企業は、オペレータの後処理(応対履歴の登録)の効率化や、それまで取りこぼしていた顧客の要望・意見を抽出できるなどの効果を期待している。しかし、実際には膨大な通話テキストを活用しきれず、持て余しているのが実情だ。この解決方法として注目されるのが要約ソリューションである。

 通話テキストの「要約」と、ひと口に言っても、その手法はさまざまだ。用途に応じて、適切な方法を選択する必要がある。代表的な要約手法をまとめる。

不要語削除

 全通話テキストを対象として、言いよどみ、相づち・口癖、特定の品詞、スクリプトの定型文などを削除する。また“話し言葉”を“書き言葉”に置き換えて読みやすく整える。要約の中では最も原文に近く、金融会社の証拠保全などのほか、VOC分析の素材として扱われることが多い。抽出型/生成型要約の前処理ともなる。

抽出型要約

 要約対象の文書から、あらかじめ登録した単語や言い回しなどに基づいて重要文を抽出する。登録する単語や言い回しは、企業や業務ごとに設定する。重みづけを変えたり、出現頻度や位置、文脈などを条件にスコアリングして、重要度を調整することができる。

生成型要約

 手本となる文例集を登録しておき、要約対象の文章中の文脈(セグメント)ごとに、最も意味合いの近い文例を検索して置き換える。文例集は、過去の応対履歴などをもとに作成する必要がある。

 オペレータの後処理(ACW)を効率化する際は、抽出型/生成型要約を用いることが多い。終話後に自動作成される要約を適宜加筆修正し、CRMシステムに登録する。一定のロジックに基づいているため、オペレータのスキル差や属人性を排除できる。

 要約ソリューションは、VOC分析や、FAQ作成のための素材抽出、オペレータの応対業務支援など、多方面で利用される。本誌では、各ベンダーの最新ソリューションについてまとめる。

記事内で取り上げているベンダー(掲載順)

野村総合研究所
プラスアルファ・コンサルティング
ベクスト
レトリバ
Automagi
SCSK


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