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2019年8月号 <マネジメント・オブ・ザ・イヤー 2018>

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吾郷 直子 氏

マニュアルワークを「ナレッジワーク」へ
分析・提案を軸とした組織改革を主導

ヤフー
MS統括本部
エージェンシー営業本部代理店サポート部
アカウントプランニング マネージャー
吾郷 直子 氏

Profile

吾郷 直子 氏(あごう・なおこ)

2014年、ヤフー北九州拠点での「代理店サポート」の立ち上げに伴い、SVとして入社。広告数値の分析・運用提案に携わる。2017年よりマネージャーとして、代理店とともに未来を創る「日本一のサポート」を目指す。北九州拠点全体に対しても「新入社員教育プログラム」を実施し、部門問わずマインド・スキルを成長できるよう活動中。

 コールセンターのオペレータやスーパーバイザー(SV)は、顧客対応業務という業務特性、そして非正規社員が大半を占めるという環境特性もあって、どうしても「マニュアルワーカー」化しやすい。しかし、その役割がサポートだけでなくソリューション提案にまで進化した場合、高度な専門性を持つ「ナレッジワーカー」への成長が欠かせない要素となる。

 インターネット広告の代理店向け窓口でマネージャーを務める吾郷直子さんは、広告分析・運用提案業務を立ち上げた立役者の1人だ。未経験・非正規社員でも分析や提案スキルを習得する仕組み作り──つまり「要望に応えるサポートから、課題を推察して提案するコンサルタントへ」(吾郷さん)へと組織改革をリードした。

 その具体的な成果としては、従来、営業部門が担当していたデータ抽出・加工業務をセンターに移管。属人化していた業務の標準化・効率化を図った。結果、営業部門が創出した時間は概算で月に980時間以上に達し、本来の業務に集中できる環境構築に大きく貢献した。

 さらに直接的な売り上げ貢献もある。非対面接点という枠にとらわれず、Skypeを活用したり、ときには直接訪問したりと、代理店に直接提案することで、本音での課題提起や意見交換ができ、提案品質を向上。提案作成は150件、月に7億5000万円もの売り上げアップを記録している。

全社に波及する
「成長を実感できる」文化

 とくに力を入れているのが、人材育成だ。メンバー全員がセンターの方向性に理解・共感できるように、毎月1回のワークと1on1ミーティングでのフォローアップを実施した。マネジメントとしての経験から、「ミッション・ビジョンの理解とモチベーションには強い関連がある」と推察。7回にわたって「ミッション・ビジョンワーク」を毎月、開催し「ミッション・ビジョンを理解できているか」「できていない理由は」「どう行動すればよいか」など、徹底的に掘り下げてディスカッションを重ねた。

 「方向性に共感し、メンバーそれぞれが自らチャレンジすることで、成長を実感できる好循環がまわることを社内に浸透させたい」(吾郷さん)という思いから、SVやメンバーが講師役となって他部署にも研修を提供するなど、そのマインドはセンターだけでなく広く社内に拡大しつつある。


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