従来から業務品質向上のためにVOC活動は実施していたが、有人によるヒアリングや目検による確認作業など膨大な業務量が発生するため、効率的な運営が課題視されていた。
今回の導入はその課題に対応し、より効率的な分析目指すもの。
これにより、コンタクトセンター部門に入電のあった年間100万件にのぼるVOCのテキストデータを、カテゴリ別に自動で分類・仕分けすることが可能になった。さらに、分析データを他部門にタイムリーに連携することができるようになった。
<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。
SV業務負荷軽減
オペレータのフォロー・指導を効率化
通話を可視化する「音声認識」「感情解析」
コールセンターのSVは、常に多忙を極める。しかし、彼/彼女が時間に追われている状態を放置すると、センター全体のパフォーマンス低下を招く。そこで、SV業務の中心である「オペレータのフォローや指導・教育」に着目。音声認識や感情解析の活用によって業務負荷の軽減を図るソリューションが多数、登場している。
SVの業務負荷軽減は、離職予防や顧客満足度向上のいずれの観点からも欠かせない取り組みだ。SVが時間に追われている状態が放置されると、ヘルプ(手あげ対応)やエスカレーション対応が後手に回り、オペレータの不安や不満を招く。さらにセンター全体の応対品質にも波及する。そこで、ベンダー各社による提案が進んでいるのが、SVの中心的業務である「オペレータのフォローや指導・教育」の支援だ。IT活用によって効率・精度を高めることにより、他の業務に使う時間を創出し、業務負荷の軽減を図る。
図 SVの主な業務内容(n=243、複数回答あり)
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記事内で取り上げているベンダー(掲載順)
アイブリット
アドバンスト・メディア
ベリントシステムズジャパン
Empath
日立情報通信エンジニアリング
ビーウィズ
NTTテクノクロス / ForeSight Voice Mining | ![]() |
![]() | CXと従業員エンゲージメントの関係性から、音声認識を用いたCX向上の実現方法を紹介する資料。 CX向上施策の検討を始めた方、導入した音声認識をうまく活用する方法を調査している方に最適な資料である。 これまで多くのコンタクトセンターに音声認識を導入してきたNTTテクノクロスの経験を踏まえて、CX向上を考察する。 ■以下のような課題をお持ちのご担当者様にオススメ ・CXや従業員エンゲージメントの関係性を把握したい ・CX向上の具体的な施策を検討したい ・導入済みの音声認識をうまく活用したい ※ホワイトペーパー提供会社:NTTテクノクロス株式会社 | |
■他のホワイトペーパー | ||
解説レポート | 音声認識技術でコールセンター業務の課題を解決!具体的な事例からの考察と導入ポイント |
音声認識から始めるCX向上
〜従業員エンゲージメント強化〜
ForeSight Voice Mining
NTTテクノクロス
はじめに
昨今、コールセンター業界ではCX(カスタマー・エクスペリエンス)向上が注目されています。
しかし、実際に施策を検討する際「何をどうすればよいのか分からない」とお悩みの企業様も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
本ホワイトペーパーでは、これまで様々なコールセンターに音声認識を導入してきたNTTテクノクロスの経験を踏まえて、音声認識を用いたCX向上の実現方法とその事例をご紹介します。
CX向上施策の検討や、音声認識の活用方法を調査される際に、是非ご活用ください。
目次
1. コンタクトセンターとCX
2. 従業員エンゲージメントとCX
3. SV・オペレータの従業員エンゲージメントに関わる要因
4. 音声認識ソリューションによる従業員エンゲージメント強化、そしてCX向上
5. まとめ
地方自治体の誘致施策と
コールセンターの地方展開状況
小規模分散、在宅シフトの需要に対応
積極誘致の気配濃厚な「アフターコロナ」
地方自治体のコールセンター誘致は、コロナ禍を経て、むしろ活発化の様相を呈している。コールセンターは、ソーシャルディスタンスを確保するための在宅勤務制度の活用と、小規模拠点(サテライトオフィス)への分散を図る傾向にあり、それが地方自治体の「雇用の安定」「空きオフィスの活用」ニーズと合致したかたちだ。
コールセンタージャパン編集部は2020年7月、地方自治体を対象に「コールセンター向け支援制度・助成施策」および「コールセンター立地状況調査」を実施し、回答をとりまとめた。これによると、地方進出の動機の1つである「人材の確保」を支援する雇用促進に関する施策は、回答を得た177の自治体のうち80%が整備していた。さらに、“コロナ禍”という状況下で、全国的に飲食店の休業・廃業に伴い非正規雇用者の雇い止めが増加。生活の安定を求めて正社員を志向する求職者の受け皿として、コールセンターに期待を寄せる自治体が数多くあった。
図 主要なコールセンター集積地の拠点数
コールセンターの地方拠点一覧(2020年8月現在)
コールセンター向け助成施策制度のある自治体一覧
エヌエヌ生命保険
スキルセット見直し、在宅シフト、IVR改善
呼量増加も人員増ナシで品質向上
中小企業向け保険商品を展開するエヌエヌ生命保険。最近は、事業継続を支援する商品ラインナップを拡充、顧客数を伸ばしている。問い合わせ件数も増えるなか、接続品質を高めるため複数の窓口を統合。マルチスキル化を進め、高いサービスレベルを達成した。コロナ禍においてはフルリモート化も実現。解約阻止をはじめビジネス貢献度も高い。
エヌエヌ生命保険は、中小企業の経営者向けに保険商品を提供している。コールセンターは、顧客からの問い合わせを受け付ける他、代理店や、代理店を支援する全国の営業社員からの問い合わせに対応している。
同社は、今年1月、窓口体制を一新した。従来、新契約センターと既契約センターで分けていたが、それらをカスタマーコンタクト部として統合。オペレータのマルチスキル化を推進することで接続品質の向上を図り、目標サービスレベル(20秒以内の応答率80%)達成を実現している。
また、新型コロナウイルス感染症が流行したことで、リモートワークにシフト。2018年にジェネシスのコンタクトセンターシステム「Pure Cloud(現Genesys Cloud)」とセールスフォース・ドットコムのCRMソリューション「Salesforce Service Cloud」を導入しクラウド化していたため、仕組みは整っていた。時短勤務をしていた社員がフルタイム勤務となったため、接続品質は高水準を保つことができた。
コロナ禍においては、事業計画を変更せざるを得なくなった顧客企業から、資金繰りの相談や貸付の申し込みなども増えたという。保険というビジネスの特性上、イレギュラーな状況こそ顧客に寄り添った対応が求められる。顧客対応の最前線に立つオペレータが顧客のニーズをくみ取り、それに応じたルール、業務フローをスピーディに設計。在宅環境であっても、現場では密なコミュニケーションを重ねることで、より良いCX(顧客体験)の創出に挑戦している。
カスタマーコンタクト部長の安部宗孝氏
Center Profile
コールセンターは電話がメインで、(1)新規顧客からの資料受付や申し込み受付、契約成立までのサポートと、(2)既契約者を対象にした保全窓口の2種類。問い合わせ件数は、両窓口を合わせて月間約1万2000件。開設時間は、午前9時〜午後5時。オペレータは正社員がメインで東京に24名、福岡に3名。
問い合わせ窓口格付け調査──銀行業界
Web・電話とも3ツ星は4銀行
全業界平均より高評価項目が多い
新しい基準の格付け調査では、Webセルフサポート、デジタルチャネル、電話窓口の有機的な連携が高評価のカナメとなる。銀行業界は、Webサポートは概ね高評価の企業が多いが、電話/チャットの連携などで明暗が分かれる。Webサイトの管轄部門とカスタマーサポート部門が別組織の可能性もあるが、密接な連携が問われる。
図 銀行業界格付け結果及び、2019年全業界平均との比較
[調査対象企業(マルチチャネル調査につき、調査窓口の特定はない)]
イオン銀行、ジャパンネット銀行、新生銀行、住信SBIネット銀行、セブン銀行、ソニー銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行、楽天銀行、りそな銀行
【調査したチャネル(専門審査員、一般審査員のアンケートより、複数回答あり)】
Webサポート73.4%、リモートサポートなし、メール9.1%、チャット/チャットボット51.9%、電話81.8%、その他3.9%
就業形態/エリア別有効求人推移──厚生労働省
有効求人倍率推移(季節調整値)
8月の有効求人倍率(季節調整値)は1.04倍と前月比0.04ポイント低下。パートタイマーを除くとついに1倍を割り込んだ。6年7カ月ぶりの低水準となっている。
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コールセンター集積地の有効求人倍率推移(パート含む、季節調整値)
コールセンター集積地も、いずれも低下傾向にある。北海道、沖縄県が1倍を割り込み、福岡県も1.03倍。「GoTo」の実施でどこまで雇用が回復するか、注目だ。
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全国およびコールセンター集積地の新規求人倍率(季節調整値)
新規求人倍率は、全国平均で1.82倍とやや回復。ただ、原数値で見る新規求人数は前年同月比27.8%減で、とくに宿泊・飲食サービス業の減少幅が大きい。
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「データ」×「ホスピタリティ」で進化する!
“断らない”コンシェルジュデスクの現在地
──JCBトラベル
「絶対に不可能なこと以外は、お断りしません」──コンシェルジュデスクの多くが貫く姿勢だ。独自の購入ルートや調査力を活かし、ホスピタリティを発揮する。こうしたサービスが、ビッグデータ活用でさらに進化しつつある。JCBカードのコンシェルジュデスクを運営する、JCBトラベルの取り組みをみる。
コールセンターでカスタマーエクスペリエンス(CX)向上のために必要な取り組みは何か──この問いに対し、多くのセンターマネジメントは「ホスピタリティを重視した親身な対応」と回答している。さらに、それに続くのが「顧客それぞれのニーズに応じた最適な提案」だ(図)。この2つの要素を具現化した窓口、それが「コンシェルジュデスク」だ。
JCBトラベル(東京都豊島区、風間欣人代表取締役社長)は、クレジットカード会社のジェーシービーと旅行会社のJTBの合弁グループ会社で、JCBカードの会員向けのコールセンター「ザ・クラス・コンシェルジュデスク」「プラチナ・コンシェルジュデスク」を運営している。基本的に「頼まれたことには何でもお応えする」という姿勢で、ホスピタリティを徹底的に追求。コンシェルジュ(同社のオペレータ呼称)の指名にも、できる限り応えている。“断らない”サービスを可能にするポイントは、(1)コンシェルジュの高い接客スキルと、(2)豊富なデータベースの2つだ。同社の人材育成やデータ活用の仕組みを検証する。
図 カスタマーエクスペリエンス向上のために必要な要素(優先度の高い3項目を選択、N=194)
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デジタルシフトの波が押し寄せる「採用」
“オンライン面接”の必要性と効果
──USEN-NEXT HOLDINGS
オンライン面談、AI面接官、動画による企業紹介──採用で変化しているのは、“ツール”だけではない。Webを活用した戦略的な採用を目指さなければ良い人材は採れなくなりつつある。採用コンサルティングを行うツナグ働き方研究所と先進企業として知られるUSEN-NEXT HOLDINGSに動向を聞いた。
「新型コロナの影響で、オンライン面談を導入する企業が急増しています」──採用に関する調査やコンサルティングを展開する、ツナグ働き方研究所の所長である平賀充記氏はこう話す。
これは単に「採用ツールの変化」にとどまるトレンドではない。平賀氏は「企業の採用の在り方そのものが変わりつつあります」と指摘。「5G時代が到来し、例えば動画を採用に活かす企業が増えています。面接前に公開する動画、二次面談を通過した求職者に見せる動画など、用途に応じて細かく使い分けている企業もあります」と説明する。言い換えれば、Webに注力している企業とそうではない企業を求職者が「判定」できる環境ということだ。とくに若年層を対象とした採用では、その評価は大きく二分されることになる。Webサイトの充足度は、今や企業側にとって欠かすことのできない採用のカナメといえる。
採用コンサルティングを行うツナグ働き方研究所と先進企業として知られるUSEN-NEXT HOLDINGSに動向を聞いた。
ネット証券の弱点「投資サポート」に挑戦
老舗が切り拓くセンターの新しい役割と機能
松井証券
代表取締役社長
和里田 聰 氏
ネット証券は、自己解決の促進で成長してきた。25年ぶりの社長交代で、新たな戦略にかじを切るのが、老舗の一角、松井証券だ。新社長に就任した和里田氏は、改めて「デジタルCX(顧客体験)の見直し」を訴求。カスタマーサポートの担当役員として蓄積した知見をもとに、コールセンターにも新たな付加価値を見出している。
Profile
和里田 聰 氏(Akira Warita)
松井証券 代表取締役社長
1994年に一橋大学商学部を卒業後、プロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク、リーマン・ブラザーズ証券、UBS証券を経て、2006年に松井証券に入社、IR室長に就任。営業開発や顧客サポート部門の統括を担当、2020年6月に代表取締役社長に着任した。
──今年6月に社長に就任されましたが、ネット証券を取り巻く環境や事業課題をどう見据え、松井証券をどうリードしていきたいと考えていますか。
和里田 ネット証券は、対面販売に対してこれまで優位性を示していた手数料の安さが今では当たり前となり、過当競争の時代に入っています。そもそも金融商品そのものはどの会社が提供しても同じもので、ツールの差別化も大きな差異を見出しにくい。オンライン証券経由の個人の取り引きが増加しても、投資人口自体が増えているわけではありませんので、当社としては、顧客を囲い込むだけではなく、いかに顧客を広げていくかも課題です。そのためにも、顧客体験(CX)に着目したサービスの見直しが不可欠だと考えています。
──具体的には。
和里田 証券会社のお客様にとっての最大の顧客体験価値は、「収益を上げること」です。しかし、従来、ネット証券の基本的なスタンスは「その収益を上げるための環境をできるだけ整えることはしても、それをどのように活用するかはお客様次第」というものでした。もともと金融商品は生モノですから、どの会社のどのサービスを選んでも、収益が確約されるわけではありません。ところが、とくに若年層に多い傾向なのですが、リスクを取ることを極端に嫌う傾向が強い。ですから、正しい投資の知識を身につけていただき、表面上のリスクももちろん加味したうえで、長期的な資産運用を手助けする必要があります。
つまり、必要なのは“本質的な投資のサポート”という付加価値の提供です。例えば、口座を作ったものの何をしたらいいか分からないというお客様も多くいらっしゃいます。もちろん銘柄の購入や資産運用に手取り足取り、密接に関与するわけにはいきませんが、最初の一歩を有人対応で後押しするための相談窓口は必要です。具体的には、4000銘柄以上ある上場株式のなかで、「この値動きはこのような見方ができます」など、収益を上げるために自走するきっかけ作りやサポートです。
──コールセンターの役割が大きく広がりますね。
(聞き手・生嶋彩奈)
続きは本誌をご覧ください
井上 一朗 氏
執行役員 兼
サービス事業営業部長
<コーナー解説>
ITソリューションベンダーのキーマンに製品・販売戦略を聞きます。
スカラコミュニケーションズ
FAQ、ボット、データ分析と活用
デジタルシフトを全方位支援
企業PROFILE
所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ17F
代表者:梛野憲克 代表取締役
設立:2004年4月5日
資本金:8000万円
URL:scala-com.jp/
<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。
みずほEBサービス
銀行のセキュリティ基準をクリア
「条件付きオンラインサポート」を実現
みずほEBサービスは、みずほ銀行の100%子会社で、法人向けインターネットバンキング(エレクトロニックバンキング:EB)のシステム開発やヘルプデスク、訪問サポートなどを行っている。コールセンターでは、EB利用時の手続き・操作案内に加え、エラー発生時のトラブルシューティングなどを実施。電話は企業の経理担当や個人経営者などが多く、高齢者も含まれるため、必ずしもITに明るくない人も少なくない。このため、口頭での対応では意思疎通の面で限界があった。そこで、リモートサポートの導入を検討。ただし、リモートサポートツールは、遠隔操作が主要機能の1つで、テクニカルサポートでは非常に有効な手段だが、銀行では顧客の資金を遠隔で操作できる機能は採用できない。その他にもセキュリティ面でのカスタマイズが多数必要だった。これに柔軟に応えたのが、インターコムの「RemoteOperator」だ。
今月のPOINTS!
■システム概要
法人向けインターネットバンキングのヘルプデスクでオンラインサポートを実践。ツールはインターコムのクラウド型リモートサポートツール「RemoteOperator」を採用している。
■選び方のポイント
(1)顧客にインストールの手間が不要、(2)セキュリティ強化のカスタマイズを条件に選定。後者では、遠隔操作やファイル転送などテクニカルサポートで重要となる機能を排除した。性悪説に則り“悪意があっても不正ができない”仕様を追求。国内メーカーで柔軟な対応が可能だったインターコムのサービスを採用した。
■使い方のポイント
オンラインサポートはSVの許可を得て、SVのIDを使って画面共有用の接続番号を発行し利用する。顧客がオンラインサポートの留意事項に了承して開始ボタンをクリックすると一時ファイルがダウンロード(終了後に自動削除)され、接続開始画面に接続番号を入力すると画面共有を開始。オペレータに見せたくない情報を表示する際は一時停止ボタンで画面を暗転できる。利用中は上席者が立ち会う。
右より、ヘルプデスク部審議役の間舘伸一氏、石澤恵子氏、坂井陽子氏、三輪貴宏氏
図 一時停止機能を利用した場合の画面例
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