オムニチャネルの“起点”となるか
AIスピーカーが描くサポートの未来
昨年の発売以来、注目されているスマートスピーカー(AIスピーカー)。音声とテキストの違いはあるが、近年導入が進むチャットボットと同様に、新たなカスタマーサポートのツールになるのではと期待が高まっている。そうしたなか、プレステージ・インターナショナルがホームアシスト事業での活用を開始した。
スマートスピーカーは、対話型の音声操作に対応したIoT機器で、AIスピーカーとも呼ばれている。現在は、ニュースの読み上げや音楽再生、気象予報などの情報検索、家電操作などが主流だが、将来的に機能アップすればスマートフォンに替わるデバイスになるという予測もある。
カスタマーサポート分野でも注目される。コールセンタージャパン編集部が主宰する「5年後のコンタクトセンター研究会」ソリューション/サービス分科会では、スマートスピーカーがコンタクトセンターに与える影響を議論。「搭載されたAIシステムが利用者のコンシェルジュのような役割となり、問題解決できない場合は適切なサポートセンターに接続する」「十分に普及すれば利用者同士のコミュニケーションツールとなり、企業側も新たなチャネルとして対応が迫られる」などの“未来像“を予想している。そうしたなか、実際にスマートスピーカーを介してカスタマーサポート・サービスを提供する企業が現れた。
ロードアシストやプロパティアシストの領域でBPO事業を展開するプレステージ・インターナショナル(東京都千代田区、玉上進一社長)は、今年1月、ホームアシスト業界で先駆けとなる、「住まいの困りごとを解決する」スマートスピーカー対応のAIシステムを開発した。同システムは、住まいに関するさまざまなトラブル(水まわり・鍵・電気機器のトラブルなど)に対して、スマートスピーカーを介してAIエージェントが基本的なトラブルシューティングを行い、必要に応じてスタッフへの出動依頼を自動的に行う(図)。
本誌で、システム開発の背景や具体的な利用方法、採用している技術の概要、これからの課題などをレポートしている。
図 スマートスピーカーに対応したホームアシスト・サービス
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