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ガートナー、「カスタマー 360 サミット2017」開催

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ガートナーはこのほど都内で、「カスタマー 360 サミット2017」を開催した。海外アナリスト5名が来日し、海外におけるデジタル・マーケティングやカスタマー・エクスペリエンスの動向を解説したうえ、国内外の先進的な事例を紹介した。

リサーチ部門リサーチディレクターのガレス・ハーシェル氏は、「顧客分析の6つのスタイル」を講演した。

ハーシェル氏は、①選択肢が多すぎると選べない、②情報が不足すると最適な意思決定ができない、③企業からの働きかけの有無が離反意向に影響する、④担当者との相性が意思決定に影響する、⑤潜在ニーズは自覚も発信もできない、⑥待ち時間や余計なオペレーションに不満を感じる――といった顧客の心理、行動から企業がとるべき施策として以下の6つを挙げ、それぞれの好事例を紹介した。

(1)「マスカスタマイゼーション」  
 分析データを元に顧客1人ひとりに合った商品/サービスを提案する
 【事例】米損害保険会社:蓄積された運転データから最適な保険商品を提案
(2)「インサイトの共有」
 顧客がより良い意思決定を行えるよう、適切かつ十分な情報を公開する
 【事例】NETFLIX(コンテンツ配信サービス会社):顧客が快適にサービスを受けられるよう、ISP事業者ごとの通信速度一覧を公開し離反を防いだ
(3)「行動の変化」
 ロイヤルティを高めるためのメッセージを送ったり、ロイヤルティの高さに応じてメッセージを変える
 【事例】ランジェリー通販会社:ファッションウィッグの提供も始め、ランジェリーとウィッグの組み合わせを楽しむことを提案した結果、ランジェリーの売り上げを伸ばした
(4)「人が違いを生み出す」
 従業員が力を発揮する環境を整える
 【事例】コールセンター:オペレータをデータを元にタイプ分類(繋げる人/まとめる人/アドバイスする人/クリエイティブな人)し、それぞれが得意とする顧客を対応することでパフォーマンスを最大化させた
(5)「じっくり耳を傾ける」
 顧客の利用目的や使い方から必要な新製品/サービスを企画する
 【事例】IKEA(家具メーカー):家具の使い方を投稿、共有できるWebサイトを運営
(6)「問題なくスムーズに」
 データから状況を把握し顧客に起こる問題(待機や無駄など)を未然に防ぐ
 【事例】米スーパー:センサーで来店人数を把握し従業員数を調整してレジの待ち時間を減らす

ハーシェル氏は、「これら6つの施策は、自社の顧客戦略やカルチャーに応じて優先順位をつけて実施するといい」と提言。
例えば、(3)行動の変化や(6)問題なくスムーズに、は顧客の不満を減らしたいとき、(4)人が違いを生み出すと(5)じっくり耳を傾けるは、ロイヤルティを高めたいときに有効だ。(1)マスカスタマイゼーションや(2)インサイトの共有は、行えば行うほど満足を引き上げられるという。



講演するリサーチ部門リサーチディレクターのガレス・ハーシェル氏

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