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2020年7月号 <インタビュー>

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野橋 亜弓 氏

電気、ガスからデジタルコンテンツまで
プラットフォーマーとしての「CX戦略」

ジュピターテレコム
執行役員
お客さまサポート本部長
野橋 亜弓 氏

ケーブルテレビのみならず、電話、電気、ガスなどの生活インフラまで、サービスの多角化を推進するジュピターテレコム。消費者の生活に密接した「プラットフォーマー」として訴求するべく、既存顧客のカスタマーエクスペリエンス向上を図る。継続率とNPSをKPIとし、コンタクトセンターを中核とした同社のCX戦略を聞いた。

Profile

野橋 亜弓 氏(Ayumi Nohashi)

ジュピターテレコム 執行役員 お客さまサポート本部長

1968年生まれ。千葉県出身。新卒で住友商事に入社後、カナダに留学。その後、米国医療機器メーカー入社。1996年よりジュピターテレコムにて、カスタマーセンター長、営業拠点の局長など現場マネージメントを経て2019年から現職。

──新型コロナウイルス感染症によるステイホーム期間で動画配信サービスが急速に伸びています。これらの競合に対抗する戦略を聞かせてください。

野橋 ケーブルTVを主軸にインターネット回線や固定電話、電気、ガスなど、豊富なサービスを展開しています。必要なものを選んでいただき、自由に組み合わせ、お得に、長い間、使っていただくことが成長戦略のキモです。なかには、「Netflix」や「YouTube」などの動画配信サービスも含まれているため、実は必ずしも競合というわけではないのです。最大の目標は、そうした新しく幅広いサービスやコンテンツを提供するプラットフォーマーとして、生活の総合窓口となることです。

──成長するための具体的なKPIをどのように設定していますか。

野橋 コンテンツ事業者でありながら、生活インフラを提供しているため開通工事などリアルな顧客接点がどうしても必要になります。お客様がスマートフォンやPCだけで利用開始できるネット配信サービス事業と決定的に異なるのはこの点です。従って個人での契約ではなく、世帯ごと、あるいはマンションごとの契約と、訪問工事が必要になります。そのため、今回のようなステイホームという機会でも、新規接続の契約数は爆発的には増えません。もちろん、生活インフラなだけに、顧客との結びつきが強く、接点も多いため、適切にサポートを行えばLTVが長くなるという強みもあります。そのため、重要視するKPIは継続率とNPS(ネット・プロモーター・スコア)です。コールセンターは、そのKPIを達成するための中核です。現在、全国に7拠点約3000席展開しており、継続利用してもらうために必要不可欠な顧客接点となっています。

音声認識で脱・属人化
顧客接点を磨き上げる

──KPI達成のための課題は。

野橋 まずは利用状況の改善です。サービスはたくさん使っていただくことで価値が向上するものですが、提供するサービスが多角化するなか、必ずしも十分に活用できていないお客様がいらっしゃいます。例えば、当社のお客様には、インターネットにあまり明るくなく、「YouTubeの使い方や視聴方法が分からない」といった年齢層の方も多くいます。そのような方にも新しい時代の流れに追随して楽しんでいただけるようにサポート体制を整えています。

(聞き手・生嶋彩奈)
続きは本誌をご覧ください


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