誰が抜けても同じ品質、生産性──
スキル格差をなくすカイゼンを主導
NTTマーケティングアクト
福岡コンタクトセンタオペレーションマネジャー
外山 裕子 氏
Profile
外山 裕子 氏(そとやま・ゆうこ)
1996年6月、NTT西日本グループの会社に入社。NTTグループ関連のアウトバウンド業務から経歴をスタートする。1998年より業務受託した通販関連各社のアウトバウンド業務を立ち上げ、運営のマネジメントに携わり、多くのSVやオペレータの指導・育成し、現在に至る。
アウトバウンド業務の受託において、「売上げ」という成果はもちろん重要だが、「ミス防止」や「クライアントのブランドイメージを損なわない品質の維持」もまた同等の重要性を持つ。そこで大きなポイントとなるのは、「個人のスキル」に依存する手法からの脱却──言い換えれば「誰が抜けても同じ成果が出せるマネジメント」の実践だ。
NTTマーケティングアクトの外山裕子さんは、19年間にわたるセンターマネジメント経験が評価され、通販関連のアウトバウンド業務のマネージャーに就任した。「チーム全員のスキル格差を可能な限りなくし、誰が対応しても受注につながるトークスクリプトの作成と、指導サイクル(コーチングなど)確立に努めました」(外山さん)という。
また、煩雑となっていたバックヤードフローの課題にも即座に取り組み、仕分け方法、まとめ方、プライオリティ付けなどを改善、生産性向上に貢献した。
行動を見て全員が動く!
一体感を醸成する「お手本」
最も重視したトークスクリプトにおいては、スクリプト通りにトークができれば、すべての顧客が納得し、受注に結び付くような作成・指導を心がけた。商品別の分類に加え、お客様の状況に合わせて整理。季節感や近況状況(物価や気象など)まで加味し、常に鮮度の高い状態を維持している。
「誰が抜けても同じ成果」を出すには、スクリプトをはじめとしたオペレーション・ツールだけでは不可能だ。安定した成果を維持できるチームになるために、育成の中核となるSV/リーダー層やバックヤード層は、担当業務範囲に捉われることなく、状況に合わせた柔軟な対応でカバーしている。これらの行動は、外山さんの行動からメンバーが学び、各人が自ら実践しているという。チームの一体感を醸成する意味でも、外山さんがいかに「お手本」となっているかがわかる。
アウトバウンド・コールは、テレマーケティング業務のなかでもとくに「きつい、厳しい」というイメージが根強い。外山さんを中心とした取り組みは、わかりやすい説明で顧客に褒められる満足感、受注率/売上げ増とトーク品質向上によるクライアントの満足感を味わうことに業務のやりがいを見出し、厳しい中にも楽しみや喜びが見出すことができるという価値観を与えている。